魚づくしの隠れた名店/のぶ太郎
新宿の中心部から少しはなれた閑静な住宅街に佇む居酒屋〝のぶ太郎〟。 2015年にオープンしたこの店は、看板からメニューまで、店主の味のある手書き文字が至るところに埋め尽くされている。
今回ここに訪れたのは、様々なブランドPRを手がけているifca showroomのケイコさん。
まずは生ビールで乾杯。この日は仕事の兼ね合いでレセプションパーティに立ち寄ってから来たため、既にシャンパンを1杯飲んでいてゴキゲン。
最初にマスターのおすすめで刺身の盛り合わせをいただく。このお店、なんとノーチャージ。大好きなホタルイカもちゃっかり入れてもらい、〝のれそれ〟や〝鯨〟など普段頼まないラインナップに舌鼓。
マスターというより大将といった風貌の店主は、「ブンゴさん」の愛称で親しまれている。歌舞伎町にある〝ぶんご商店〟を切り盛りして約10年、2店舗目として2015年に〝のぶ太郎〟をオープンしたのだそう。
「自分の店を持つまでは下北沢の飲食店で修行を積んだんだけど、20代前半の頃に古着屋で働いたこともあるんだよね。」と切り出す。
「私も古着ばかり着てましたよ。東京に出てきてすぐは、森ガールがブームの時期で、そんな格好ばかりしてましたね。好きなブランドのPRに就くこともできて、かれこれずっとファッションの仕事をしています。」
2杯目は数種類の日本酒の中から、広島の「誠鏡」をオーダー。新潟出身のケイコさん、日本酒は飲み慣れていて、辛口がお好みだそう。
「普段一人で飲みに行くの?」というマスターの問いに、
「行かないです…勇気がなくて。一人でカラオケには行くんですけどね!BIG BANG入れたりして一人でブンシャカしてますよ〜」と、おちょこ片手に答える。
そう言いながら出てきた〝ソイ〟の煮付け。辛口の焼酎に、甘い煮付けがよく合う。
「普段は梅水晶や白子ポン酢などさっぱりしたものが好きで、表参道に勤めてても赤ちょうちん系の店ばかり行ってますよ。一人でCaféに入ることも殆どないくらいです!」
見た目の可愛さとは裏腹に、渋い店が好みだという。この日最後に頼んだのはレモンサワー。
マスターの奥さんと一緒の名前ということでトークが弾み、ブンゴさんの結婚生活の話から、アラサー女子のケイコさんの結婚観についても伺った。
「〝このひとと一緒に居たら幸せになれる〟より、〝このひとと不幸になっても一緒に居られる〟って意思を大事にしてます!」
…そんな締めの一言を覚えているかは定かではないが、終始上機嫌でケイコさんは家路に着いた。
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Model Keiko Sato
Master Bungo Murase
Photographer Minami Otsu
Editor Aki Tanaka
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