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ビジネスのメールや電話で使う「ご担当者様」の正しい使い方は?

2020/03/12

正しい敬称の使い方を覚えることは、社会人としてマスターしておくべき基本的なマナーの一つです。ビジネスメールや封書の宛名でよく使われる『ご担当者様』という言葉について、意味や使い方などを解説します。英語表現もあわせてチェックしましょう。

ご担当者様の意味とは?

ご担当者様は、ビジネスシーンや就職・転職活動の場面でよく聞かれる言葉です。

正しい意味と文法上の構造を解説します。

団体に所属している個人のこと

ご担当者様とは、企業や団体などの組織に所属している個人を指す言葉です。 文法的な構造としては『担当者』という言葉に尊敬の接頭語『ご』がつき、さらに人や組織などの後ろにつけて尊敬の意を示す『様』もつけられています。 

尊敬を表す語が連続して使われているため、「同じ種類の敬語を重ねて使う」二重敬語にあてはまることになり、本来は敬語として正しい構造ではありません。

しかし、ご担当者様という言葉は一般的に広く使われており、文法的には正しい表現である『ご担当者』や『担当者様』では、敬意が足りないという認識が浸透しています。 

このように、いわゆる現状追認されている敬語には、ご担当者様の他にも『ご本人様』『ご依頼者様』などがあり、『ご~様』という表現が敬語として定着していることが分かります。

ご担当者様の使い方

ご担当者様という言葉を、普段から何気なく使っている人も多いのではないでしょうか。

本当に正しく使えているのかを確認しておきましょう。

個人名が分からないときに使う

例えば、取引先にメールを送信しなければならなくなった際に、誰にそのメールを読んでもらえば話が通じるのか分からないケースもあるでしょう。 

このような場合にご担当者様を使えば、個人名が分からない担当者に向けてメールを送ることが可能です。 メール・FAX・手紙などの文書で使用できるほか、電話や面と向かった会話などでの口語表現としても使えます。 

担当者が何人いるのか分からない場合や、そもそも担当者がいるのかどうか定かでないような場合にも使用できる、とても便利な言葉です。 

また、担当者が特定できていても、名前に自信がなかったり、漢字が分からなかったりする場合もありますよね。 メールなどに自分の思い込みで名前を書いてしまうと、間違っていた場合に大変失礼です。

このような場面でも、ご担当者様という表現が役に立ちます。

目上の人にも使用可能

前述したように、ご担当者様は担当者に尊敬語の『ご』と『様』を組み合わせて相手に敬意を示す言葉であるため、目上の人に対しても使用できます。 

そもそも、相手が誰なのか分からない場合に使う言葉であることから、担当者が目上なのかどうかも判断がつかないケースがほとんどです。 仮に実際の担当者が目上だったとして、ご担当者様ではなく担当者という言葉を使っていたなら、知らなかったとはいえ結果として相手に対し失礼な表現となってしまいます。 

しかし、ご担当者様を使えば、相手の立場を気にする必要がありません。敬意を欠くことで失礼を与えかねないリスクもカバーする便利な表現です。

部署名なども一緒に

ご担当者様は基本的に単独で使える言葉ですが、担当者の所属先が分かっている場合や、公式サイトなどで調べて部署が判明する場合は、部署名も添えましょう。 

企業規模が大きいほど部署数も多い可能性があり、所属先が分からなければ、連絡を受けた人が担当者を探す負担を大きくしてしまうでしょう。 探すのに時間がかかれば、急ぎの場合はお互いの業務に支障をきたす恐れがあります。

加えて「部署名だけでもお分かりではないでしょうか」などと返事をさせる手間をかけることにもなりかねません。 

部署名などが全く分からない場合でも、手がかりとなるようなことを添えたり、分からないことに対して一言謝意を述べたりするなど、相手に失礼のない態度を心掛けましょう。

ご担当者様の例文

ご担当者様を使用した例文をケース別に紹介します。宛名書きのマナーもあわせて確認しましょう。

メールで使う場合

ビジネスメールでは、本文の冒頭に「株式会社○○ 総務部 ご担当者様」のような形で使います。 

この場合、会社名と部署名に御中をつけてはいけません。会社名・部署名に様をつけることや、ご担当者様に御中をつけることも間違いです。 

担当者の記載がない場合の正しい書き方は以下のようになります。

▼使い方の例

・株式会社○○御中 

・株式会社○○ 総務部御中 

電話で使う場合

取引先に電話をかけ、担当者と話をしたい場合は、次のような表現を使いましょう。

▼使い方の例

・営業部署のご担当者様はいらっしゃいますか。 

・企画部のご担当者様は今お時間大丈夫でしょうか。 

また、相手が不在の場合に使える例文も挙げておきます。

▼使い方の例

・○○(自分の名前)から電話があったことをご担当者様にお伝えください。 

・後ほどご担当者様へ連絡させていただいてもよろしいでしょうか。 

相手と電話で会話をしている最中に、以下のように担当者の名前を聞くことも可能です。

▼使い方の例

・ご担当者様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか。 

電話の相手が担当者なら「私が担当の○○です」と言ってくれるでしょう。

別に担当者がいるなら、その人の名前を教えてくれるはずです。 

「あなた様のお名前を~」は違和感を与えやすいため、上記例文のような聞き方がよいでしょう。

封筒などに書く場合

取引先や就職活動中の企業に封書を送る場合は、封筒の宛名を次のように書きます。

▼使い方の例

・○○株式会社 △△部 ご担当者様 

基本的には、前述したメールでの書き方と同じです。

なお、文書全般に記載する相手の会社名は、正式名称をそのまま書くようにしましょう。 (株)や(有)はあくまでも便宜的に簡略した表現であり、法律上は商号として使えません。

(株)や(有)を正式な社名として使っている会社は存在しないのです。 相手から受け取ったメールや封筒の宛名に(株)や(有)が使われていたとしても、相手に送る文書では株式会社や有限会社に直して書いたほうがよいでしょう。

宛や御中はつけない

『宛』は『行』と同じく、郵便物を送った相手から何らかの返信が欲しい場合に、返信用の封筒に書かれる敬称です。

返信時に消し、御中や様をつけるのがマナーです。 

もちろん『ご担当者様宛』などと、通常の宛名にも使用してはいけません。前に述べたように『ご担当者様御中』という表現も間違いです。

各位・様方の違いは?

ご担当者様と並んでよく目にする言葉として『各位』や『様方』などが挙げられます。それぞれの使い方や利用シーンなどを理解しましょう。

各位は大勢の場合に

担当者が複数いる場合は、ご担当者様を『ご担当者各位』または『ご担当各位』に変えて、以下のように使います。

▼使い方の例

・○○株式会社 △△部 ご担当者各位 

『各位』は『皆様方』を意味する敬語であり、様と一緒に使うと二重敬語になってしいます。『ご担当者様各位』などとしないように気をつけましょう。 

担当者が2~3名程度なら、1人ずつ名前に様をつけて書けば、より親切で丁寧な印象を与えられますが、一般的には2名以上で各位を使用しても失礼にはあたりません。 

皆様などの言葉に比べより丁寧な表現であり、各人に対して敬意を表する意味も含んでいます。ビジネスシーンにおいて頻繁に使われる言葉です。

お客様各位はOK

一般的に、各位と様は同時に使いませんが、例外的に広く使われている表現もいくつかあります。 

例えば、『お客様各位』という言葉は、案内状やダイレクトメール、かしこまった席上のスピーチなどでよく使われています。 

本来であれば『お客各位』とすべきですが、現在ではお客様各位が定着し、お客各位では逆にお客様へ失礼な印象を与えてしまうでしょう。
『お得意様各位』という言葉も、同じように広く使用されています。 

また、複数の取引先などへ向けた表現として『関係各位』『関係者各位』をよく使いますが、『関係者様各位』も多く目にするため、世間に認められた言葉であるといえます。

社内外で使える

各位という言葉は、複数の人を対象にしていれば、以下のように社外だけでなく社内でも使用できます。

▼使い方の例

・関係者各位・取引先各位・株主各位(社外)

・ 広報課各位・忘年会参加者各位(社内) 

『~の皆様へ』という意味の敬語として使えるため、さまざまな場面で役立つでしょう。

次のように、文章内で単独使用することも可能です。

▼使い方の例

・つきましては、各位のご参加・ご支援をお願い申し上げます。 

また、各位という言葉自体が敬称となっているため、目上の人に使っても失礼にはあたりません。

役職者に対しより敬意を表したい場合は、次のような表現にするとよいでしょう。

▼使い方の例

・○○部長 △△課長 各位 

・〇〇部長、及び総務部各位 

役職名も敬称の一つであるため、敬語として適切であるとはいえませんが、ビジネス上よく使われている言い回しです。

様方は個人宅にむけて

『様方(さまかた)』とは、送付先の住所に住む世帯主を通して、同じ場所に住み苗字の異なる人に配送物を送るときに使います。 

例えば、佐藤さんが世帯主である家に鈴木さんが住んでいる場合、鈴木さんに向けた封書の宛名は以下のようになります。

▼使い方の例

・東京都新宿区○○1-1-1 佐藤様方 鈴木△子様 

様方の名前は苗字だけで構いません。また、様方を使用できるケースは、原則として個人宅だけです。 

会社・病院・ホテルなど、個人宅以外にいる受取人へ宛てる場合は、以下のように『気付(きづけ)』を使用します。

▼使い方の例

・○○ホテル 気付 鈴木△子様 

ご担当者様の英語表現

英文メールの書き出しで使用できる英語表現をいくつか紹介します。ご担当者様以外にも、よく使われる呼びかけの言葉を覚えておきましょう。

Dear~

英語で『~様』と表現する場合は、以下のように『Dear~』を使います。

▼使い方の例

・Dear Mr. Maeda(男性と分かっている場合) 

名前が分からない場合は、以下のような表現になります。

全てご担当者様の英語表現として使えます。

▼使い方の例

・Dear Sir(男性だと分かっている場合) 

・Dear Madam(女性だと分かっている場合) 

・Dear Sir or Madam(性別が分からない場合) 

次のように、役職名を宛名にすることも可能です。

▼使い方の例

・Dear Sales Manager(セールスマネージャー様) 

『皆様』という場合には、以下の例文が使えます。

▼使い方の例

・Dear Team Members 

・Dear All 

まとめ

ご担当者様は、企業や団体に所属している個人のことを指し、メール・電話・封書の宛名などで名前が分からないときに使います。 

各位や御中などの言葉とあわせて、ビジネスシーンでの正しい呼びかけ表現を身につけましょう。

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