「どおりで」の意味とは?
日常的に使用している言葉の中には、きちんと意味を知らないまま、なんとなく使ってしまっているものが多くあります。中でも『どおりで』は『いつもどおり』『そのとおり』などたくさんの使い方があるため、正しく知っておいて損はありません。
今回は、多くの人が頻繁に使う『どおりで』の言葉の意味を解説します。
変わらず以前のままであること
『どおりで』には、対象が以前のまま変化せず、同じ状態であるときに使う言葉です。『どおりで』は、独立して使う言葉ではなく接続語のため、別の単語を前につなげて使われます。例は『いつもどおり』『ふだんどおり』などです。
思っていたことと同じ状態
予想や期待など、人が考えていることを意味する言葉を接続すると、思っていたことと同じ状態であることを指す単語になります。
例えば『想像どおり』のように組み合わせれば、想像していたことと実際に起こったことがぴったり同じであるという意味になるのです。他にも『噂どおり』『予想どおり』などが例として挙げられます。
「どおりで」の類語も紹介
『どおりで』にはいくつか類語があるため、言い換え表現として覚えておくとよいでしょう。
例えば『○○のまま』『○○と同じように』『○〇のように』が言い換え表現として挙げられます。『いつものように』『ふだんのまま』や『噂と同じように』『予想のまま』と言い換えられるのです。
ほか『変わらず』も類語であり『どおりで』を差し替えられます。『いつもと変わらず』『噂と変わらず』のような使い方ができるのです。
「どうりで」との違い
かなり似た言葉に『どうりで』があげられます。発音や表記がそっくりなので間違って使われがちですが、持っているニュアンスがそれぞれ異なる単語です。
ここでは『どうりで』の正しい意味を知り、文脈に合わせて正しく使い分けられるようにしましょう。
「どうりで」の意味を知ろう
『どうりで』は漢字で表記すると『道理で』となります。道理とは、物事のあるべき道筋を示す言葉です。そのため『どうりで』には『ある理由があって、納得できる当然の結果が出た』というニュアンスがあります。
相手の意見に対して『どうりで』と単語で返事をする場合も『どうりで○○なわけだ』と後に続く言葉を省略しているにすぎません。
▼使い方の例
・天気予報で午後から雷雨予想が出ている。どうりで暗くなってきたわけだ。
・電車が遅れているらしい。どうりで彼が遅刻しているわけだ。
他の単語に言い換えるとすれば『なるほど』『それだから』『そういうわけで』などです。
「どおりで」の使い方と例文
『どおりで』が持つ意味について正しく把握したら、次は実際の会話で使えるように準備しておきましょう。『どおりで』を会話や文章の中で使うときに役立つ知識と注意点、例文を解説します。
「どおりで」は漢字?平仮名?
『どおりで』を文章にすると多くの場合『通りで』と漢字変換されるため、漢字と平仮名のどちらを使えばいいのかわからない人も多いでしょう。表記が違うだけで意味は変わらないため、どちらを使っても問題ありません。
しかし、理由に納得する意味を持つ『どうりで』と間違って使う恐れがあったり、目にした相手に違和感を与えたり、たまたま文章に平仮名が多く読みにくかったりする場合は『通りで』を使った方が無難でしょう。
「どおりで」の言い回しの変化
『どおりで』の言い回しは、『とおりに』『どおりに』など、前後の文脈によって少しずつ変化します。
・そのとおりに手続きしてください
・いつもどおりに進めましょう
・今回の課題は次のとおりです
特に、相手と会話する際は指示やお願いなどのニュアンスが加わったり、シチュエーションがあったりして、適切な言い回しが変わります。型にばかり気を取られず、違和感のない言い回しを心がけましょう。
「どおりで」の例文
実際に会話の中で使うなら、以下のような例文があげられます。
・今回のプレゼンは、いつもどおりの説明をすれば問題ないはずだ。
・このプロジェクトの進行の仕方は、上司の指示どおりでかまわない。
・来週の社員旅行では、現地に時間どおりに集合してください。
・あの人は、噂どおりの素敵な人です。
まとめ
『どおりで』という言葉は、日常のさまざまな場面で使われます。対象が同じ状態であるときや、考えていることと同じ結果が出たときに、適切な単語と組み合わせて使うのが正しい使い方です。
『どうりで』は『どおりで』と似ているため間違えられやすい言葉ですが、持っているニュアンスは違います。言葉の背景を知り、正しい文脈で使いましょう。
言葉の意味だけでなく、言い回しの変化や例文を知っておけば、言葉は臨機応変に使えます。みんなが間違えやすい『どおりで』を自信をもって使いこなせるようになりましょう。