「是非もなし」とはどんな意味?語源や使い方も詳しく解説
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「是非もなし」とはどんな意味?語源や使い方も詳しく解説

2021/08/10

是非もなし?時代劇や歴史小説で見聞きする日本語には、日常生活ではあまり使われない言葉も少なくありません。そのうちの一つが『是非もなし』です。是非もなしの正しい意味や使い方を知り、物語への理解を深めたり、適切な場面で是非もなしを使ってみたりしましょう。

「是非もなし」の意味とは

「是非もなし」の意味とは
出典:pexels.com

『是非もなし』とは、どういう意味なのでしょうか。例文や類語を知る前に、是非もなしの意味や由来といった概要を押さえましょう。

「仕方がない」という意味

『是非もなし』は『仕方がない』という意味です。是非もなしは『是非』と『なし』に分けられます。是非は物事の良し悪し・善悪・道理のことです。正しかったりよかったりすることを意味する『是』と、間違っていたり悪かったりすることを意味する『非』に分解可能です。

なしは何もないことや否定を意味します。是非がないということは、善悪も道理もない状態、すなわち仕方がない状態です。

織田信長が言った言葉?

『是非もなし』は、三英傑の一人・織田信長が言ったと伝えられている言葉です。本能寺の変で明智光秀軍の陰謀が露呈した際に信長が「是非に及ばず」と発言したとの記録が、家臣の太田牛一(おおたぎゅういち)によって『信長公記(しんちょうこうき)』に残されています。

ただし、そのまま「是非もなし」と言ったのではなく、『是非に及ばず』という言葉を信長は口にしたとされています。是非に及ばずも、是非もなしと意味はほぼ同じです。

『良し悪しややり方について議論する必要はない』『もはやそういう段階ではない』『どうしようもない』などの意味があります。

こんな誤用に注意

『是非もなし』には、誤用されやすい言葉があります。『慈悲もなし』です。是非と慈悲の音が似ていることからくる誤用とされています。

慈悲の意味は『慈しみ、憐れむこと』や『情け』です。慈悲がないということは、『憐れみや情けをかける心や思いやりがないこと』を意味します。無慈悲と同義といえるでしょう。

慈悲もなしと仕方がないという意味を持つ是非もなしの意味は、大きく異なります。言い間違いや書き間違いをしないよう注意しましょう。

「是非もなし」の例文

「是非もなし」の例文
出典:pexels.com

『是非もなし』の意味が分かっても、具体的な使い方が分からなければ使いづらいでしょう。是非もなしの例文を踏まえ、自分の日常で使えそうな場面を考えておくと、いざというときに使いやすくなります。

「是非もないこと」

『是非もないこと』は、『仕方がないこと』という意味です。是非もなしと意味は同じですが、是非もないことの方がやや硬い印象を与えます。是非もないことの例文を確認しましょう。

  • ずっと楽しみにしていた遠足でしたが、天候不順が理由での中止は是非もないことです
  • 始発で会場に向かったのに数量限定グッズを入手できなかったなら、それは是非もないことだ
  • いつまでも是非のないことに文句を言う暇があるなら、解決策を考えてください
  • あなたは是非もないことと仰りますが、ほかに私たちにできることはなかったのでしょうか
  • 我々が最善を尽くして提案しても競合他社が選ばれたのだから、是非もないことだ

「とあれば是非もなし」

『とあれば是非もなし』の『とあれば』は、『もしそうであるならば』という意味です。つまり、『とあれば是非もなし』は、『もしそうであるならば仕方がない』という意味になります。

とあれば是非もなしを使う場合は、とあればの直前に『そうであるならば』の『そう』にあたる内容が入ります。日本語の表現としては古く、あまり日常生活で使う機会はありません。しかし、時代劇や歴史小説などでは見かける表現のため、意味や使い方を知って損はないでしょう。

  • Aさんが職場に来ず連絡もなく心配していたが、今朝交通事故に遭ったとあれば是非もなし
  • ずっと楽しみにしていた舞台が当日中止になったものの、主演がインフルエンザにかかったとあれば是非もなし

「是非もなし」の類語

「是非もなし」の類語
出典:pexels.com

『是非もなし』にはいくつか類語があります。類語も併せて覚え、シチュエーションや伝えたいニュアンスに合わせて是非もなしとその類語を使い分けましょう。

「やむを得ない」

『やむを得ない』は、『そうするよりほかに方法がない』や『仕方がない』という意味です。『やむ』は漢字では『止む』と書きます。では、やむを得ないの使い方を見ていきましょう。

  • 体育の授業で突き指してしまい、やむを得ず部活を休んで病院に行く
  • 急に天気が悪くなったため、やむを得ず富士山登頂を断念した
  • インターネットの接続が悪く、今日のオンライン会議ではやむを得ず顔出ししません
  • 息子が体調を崩したため、やむを得ず本日の飲み会は欠席させてください

「否応なし」

『否応なし』は『いやおうなし』と読みます。『嫌と言おうが良いと言おうが、それに関係なく』という意味です。起きていることに対して、文句を言わせたり選択肢を与えたりする余地のない状態を指します。否応なしの例文も確認しましょう。

  • 先祖代々医者の家系で、否応なしに医学部を目指すことになった
  • 乗り気ではなかったが、周囲の推薦で否応なしに委員長に決まった
  • 寮では消灯時間になると、否応なくテレビの電源が落とされます
  • 体調不良で病院に行ったところ重病の可能性が浮上し、否応なく入院することになった

まとめ

『是非もなし』は『仕方がない』という意味です。戦国時代の武将・織田信長が「是非に及ばず」という形で使ったとされています。『是非もないこと』や『とあれば是非もなし』などといった形で使用されます。

『是非もなし』の意味や使い方、類語などを理解し、知識を増やして実際の会話で是非もなしを使ってみましょう。

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