(1)「ご苦労様です」
先輩から「○○さん、ご苦労様!」と言われて、思わず「先輩もご苦労様でした」なんて返答していたら要注意。「ご苦労様」は目上の人から目下の人に対してつかう労いの言葉です。後輩が先輩を労っても問題なさそうにも思えますが、これまでの日本の歴史や価値観の中で、下の人から上の人に労いの言葉をかけるのは失礼だとされてきました。
「ご苦労様」が失礼な言い回しだと知っている人も多いので、あなたが普段からつかっていたら世間知らずな人だと思われてしまうかも。ここは「先輩もお疲れ様でした」と返すようにしましょう。
(2)「いつもお世話様です」
普段お世話になっている方へご挨拶する時に、「いつもお世話様です」と言ったことはありませんか? 「お世話様です」は「ご苦労様です」と同じような意味で、目上の方に用いるのは不適切だとされています。
メールでの冒頭の挨拶でも「お世話様です」としている人がいますが、ここは「お世話になっております」と書くようにしましょう。毎回のことで癖になってしまっている人は要注意です。
(3)「了解しました」
上司から指示を受けた時などに、分かりましたという意味で「了解しました」と返すことはないでしょうか? 「しました」と丁寧語にしていて問題ないようにも思えるので、うっかりやってしまいがちな間違いです。
「了解しました」はややフランクな印象を受けることに加え、目上の方に対してつかってはいけない言葉だと多くの先輩社員が知っています。失礼な人だと思われないように、この場合は「承知しました」や「かしこまりました」が適切でしょう。
(4)「なるほどですね」
上司や取引先との打ち合わせで、「なるほどですね」と相槌を打つことがありますね。これも目上の方に対しては不適切な受け答えです。「なるほど」は文法でいうと副詞にあたり、名詞以外を修飾する単語です。したがって「です」が付く言葉ではありませんので、そもそも文法としても「なるほどですね」は誤りです。
相槌を打つ場面では、「おっしゃる通りですね」や「確かにそうですね」と言い換えることができます。どうしても「なるほど」とつい言ってしまったときは「なるほど、分かりました」とすれば問題ありません。
(5)「参考になりました」
上司や先輩、取引先に何かを教えてもらった時に、「とても参考になりました」と言うことがありませんか? これも実は適切ではありません。多くの方が良かれと思ってつかっているのではないでしょうか。
「参考にする」という言葉の意味は「手がかりや判断材料にすること」ですが、参考程度にあなたの話を聞いておくよというニュアンスを含みます。何か教えてもらった際には、「参考になりました」ではなく「勉強になりました」と伝えるべきでしょう。
多くの方が間違えがちな受け答えを5つご紹介しました。あなたは正しい受け答えができていますか? 間違いだとわかってもいつもの癖でつい出てしまうことがありますので、普段から目上の方とのやり取りの際には気をつけてくださいね。
Editor:Megumi Fukuchi
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