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言葉の意味

「次第です」の正しい意味とは?ビジネスで使える例文・類語も紹介

2020/02/26

『次第です』は、状況や動機を述べるときに使う丁寧で便利な言葉ですが、プライベートで多用すると堅苦しい印象を与えてしまいます。次第ですがよく使われるシーンや『所存です』や『運びとなりました』との違いなどを解説します。

次第ですの意味

次第ですという言葉は、挨拶文やビジネス文書でよく使われます。『次第』の意味は複数あるため、知っておくとさまざまな場面で活用できるでしょう。

状況や経過を丁寧に伝える

次第ですの次第は『しだい』と読みます。相手に状況・物事の成りゆき・動機などを伝える言い回しで、謝罪や変更点の連絡、近況報告などで使われることが多いでしょう。

別の言葉で言い換えれば『こういうわけ(状況)です』になりますが、シーンや相手によってはやや砕けた言い方に感じる人もいます。

ビジネスやフォーマルなシーンではより丁寧な表現方法として、次第ですを用いるのが好ましいでしょう。 ビジネス文書や挨拶文などの書面で使う『書き言葉』で、日常の会話ではほとんど用いられません。

目上の人に対して使われる

次第ですを使う相手は、上司や顧客、先生など主に『自分よりも目上の人』が対象です。式典の挨拶文や総会の報告など、かしこまった場面で用いられる場合もあります。

「お客様から連絡があった次第です」「資料をメールした次第です」など、上司への業務報告や日報で使うのはやや大げさでしょう。
気心の知れた友人に対して使うのも、他人行儀な印象です。

一部の年配者を除いては、通常の手紙にはほとんど使いません。相手とシチュエーションを選んで使うべき言い回しと捉えましょう。

次第でございますに言い換えるべき?

『です』の丁寧語は『ございます』ですが、次第ですはそれ自体が丁寧な言い回しのため、『次第でございます』に言い換える必要はありません。

ほかにも『~申し上げた次第でございます』『~いただいた次第でございます』になども、敬語の二重表現にあたりスマートさに欠けてしまうでしょう。

文書の基本は、丁寧にかつわかりやすく書くことです。過剰な丁寧表現は相手にくどい印象を与えるため、使い方には注意しましょう。場合によっては、不遜な態度にとられてしまうこともあります。

文脈によってはこんな意味も

次第ですは物事の経過や理由を述べるのに用いられますが、文脈によっては『次第』の意味が変わるケースもあります。

『地獄の沙汰も金次第』ということわざを聞いたことがある人もいるでしょう。これは『地獄の裁判も金があれば有利になる』という例えです。 「○○は~次第です」と状況を説明する使い方の意味のほか『(名詞)次第』としても使われます。

名詞に付く接尾語の場合は『その人の意向や事情のいかんによる』という意味です。前述した『次第です』とはまた違ったものになります。

「わかり次第、すぐに連絡をください」の場合は、動詞の連用形や動作性の名詞に付き『その動作が済んだらすぐに』の意味です。 「手当たり次第に電話をする」は『その動作のなすがままに』といった状態を表します。

次第ですがよく使われるシーン

次第ですが使われるシーンを具体例をあげながら確認していきましょう。定型文として覚えておくと、いざというときにスマートに使えます。

連絡をする理由を伝えるとき

相手に伝える連絡事項があるとき、メールの文頭や文末に『~という理由で連絡致しました』と一筆加える人は多いのではないでしょうか?

▼使い方の例

・お渡しした資料に手違いがあったため、お電話をした次第です。

・〇〇を確認させていただきたく、メールをした次第です。

・この度、御社の担当となったため、ご挨拶かたがたお手紙を差し上げた次第です。

・〇〇様にシンポジウムに参加していただきたく、お願いをしている次第です。

連絡をした理由や主旨を明確にする効果があり、読み手は「ああ、こういうことか」と経緯や理由を簡潔に知ることが可能です。

変更したことを伝えるとき

取引先との打ち合わせの日程や取引の内容を変更せざるを得なかったとき、先方にはどう伝えたらよいのでしょうか? 通常の場合、変更した理由を述べて具体的な変更内容を伝えるのが一般的です。

▼使い方の例

・飛行機の遅延のため、ミーティングの予定を15:00に変更した次第です。

・近年の原料の高騰に伴い、料金の値上げに至った次第です。

・急速な情報化などの社会の変化を見据えて、改訂版の作成に至った次第です。

個人の主観を交えず、事実だけを簡潔に伝えたいときに重宝するでしょう。

感謝を伝えるときの言い方

次第ですは『感謝』を伝えるときにも使えます。単に「ありがとうございます」と述べるよりもフォーマルな印象を与えるため、冠婚葬祭のお礼状やビジネスシーンで多用される表現です。

大変恐縮致している次第です

相手の厚意を受けて感謝の気持ちを伝える際、素直に感謝の言葉を使うほかに『恐縮する』で表現する方法もあります。 『恐縮』は、相手に迷惑をかけたり厚意を受けたりして申し訳なく思うことです。

▼使い方の例

・このたびは、たいそうなお品をいただき、大変恐縮している次第です。

・〇〇では、身に余るお言葉をいただき、大変恐縮している次第です。

・ご多忙の折り、遠路はるばるお越しいただき、大変恐縮している次第です。

恐縮の一言には『ありがとうございます』と『申し訳ございません』の両方の意味が込められています。目上の人や顧客、会の参列者などに対してかしこまって使うことが多いでしょう。

深く感謝申し上げる次第です

恐縮するという言葉を使うのに抵抗がある場合は『深く感謝申し上げる』や『心より感謝申し上げる』という表現を使いましょう。

▼使い方の例

・この度は念願叶って、レストラン〇〇を開店する運びとなりました。これも皆様のご支援とご指導の賜物であり、心より感謝申し上げる次第です。

・当社が創立50周年を迎えたのも、関係者はじめ、地元の皆様のご愛顧、ご支援の賜物と深く感謝申し上げる次第です。

『誠にありがとうございます』と意味的には同じですが、目上の人への感謝をより強調したいときは、深く感謝を申し上げる次第ですと表現するほうが、より丁寧でフォーマルな印象を与えます。

次第ですのさまざまな用法

次第ですは、お礼状や謝罪文、お悔やみの手紙など、ビジネス以外のシチュエーションでも活用できます。恩師やお世話になった方など、使う相手を選ぶのがポイントです。

お礼状で使う場合

「連絡事項はメールや電話で済ませてもお礼状だけはきちんと郵送したほうがよい」と考える人も少なくありません。

相手から贈り物をいただいたときはもちろん、食事に招かれたときや出張先や視察先でお世話になったときなど、お礼状を書くシーンはたくさんあるでしょう。

お礼状は文字通り感謝の気持ちを伝える書簡で、はがきよりも封書で送るのがマナーです。

▼使い方の例

・〇〇で感謝を申し上げたく、筆をとった次第です。

・3月で異動されると知りました。一言お礼を申し上げたく、ペンをとった次第です。

・遠方のため誠に非礼ながら、書中をもちましてお礼を申し上げる次第です。

よく使われる『筆をとった次第です』の『次第』は、動機を説明する際に用いられます。相手になぜお礼状を送っているのかを明確に示せるでしょう。

謝罪文で使う場合

主にビジネスシーンで問題や不祥事が発生した際、原因の説明や報告を兼ねて謝罪するのに次第ですが用いられます。

▼使い方の例

・皆様の信頼を損なう結果なりましたことについて、深くお詫び申し上げる次第です。

・確認を怠り、甚大な被害を及ぼしたことに、深く反省している次第です。

・本来なら直接訪問すべきですが、まずは書中をもちましてお詫びを申し上げた次第です。

プライベートにおいても心からの反省の意を示すために『深く反省している次第です』と表現する場合がありますが、若い人の間ではあまり一般的ではありません。

▼使い方の例

・お酒の席での発言を謝罪したく、大急ぎでペンをとった次第です。

・〇〇ということになってしまい、我が身を情けなく思う次第です。

プライベートの失礼を詫びる手紙の文面などには、真摯に向き合う姿勢を活用できるでしょう。

お悔やみの手紙で使う場合

本来、お悔やみの挨拶は手紙ではなく、遺族に直接会って伝えるものです。お悔やみの手紙は『略式』で、内容にはお詫びの言葉とともに、弔問に伺えない理由を書き添えるのがマナーでしょう。

以下はお悔やみの手紙に書き添える、次第を使った挨拶の例です。

▼使い方の例

・本来であればお伺いすべきところですが、遠方のため、略儀ながら書中にてお悔やみを申し上げる次第です。

・ご霊前にごあいさつを申し上げたいところ私事にてままならず、略儀ではございますが書面をもってお悔やみを申し上げる次第です。

次第ですに似た言葉

以下の二つは、次第ですに似た表現です。ビジネスでもプライベートでもよく登場します。意味の微妙な違いや使い分けについて確認しましょう。

運びとなりました

『運ぶ』は物を移動させたり、その場所に赴いたりする意味のほかに『物事を停滞させずに前に進める』『物事がある段階に至る』という意味があります。

後ろに『~となりました』と付けて、順調に結実まで至ったことを報告する表現です。会議やプロジェクトの報告や会社の閉店・移転、催しの開催時などに使われます。

▼使い方の例

・この度、〇〇会社を設立する運びとなりました。

・私〇〇は、△△さんと結婚する運びとなりました。

例外もありますが、個人的なことよりも比較的大きな決定事項に用いられるでしょう。

よく似たものとして『~になりました』がありますが、こちらは計画は進んでいたものの『当初の予定と進捗や結果が違う』という意外性を含んだニュアンスになります。

▼使い方の例

・右も左もわからないまま飛び込んだ業界ですが、今年で10年目になりました。

所存です

次第ですと似た言葉としてあげられるのが『所存』です。所存には『考え』や『心に思うところ』という意味があります。

『所存です』は『~と考えています』や『~と思います』に言い換えても違和感がなく、自分の考えや今後の方向性、就任時の挨拶を述べる際に多く使われます。

▼使い方の例

・今後もサービスの向上を目指して、改良を続けていく所存です。

・選手一同、誠心誠意取り組む所存です。

『~と思う所存です』や『~と考えてていく所存です』は、同じ思う・考えるといった意味の言葉が重なる二重表現(誤用)です。

使い分けに注意

次第ですには「~という理由(状況)です」のようにいきさつや状況を説明する意味があります。一方で、所存ですは、自分の考えを相手に伝える際に用いられる言葉です。

▼使い方の例

・プロジェクトリーダーとして、精いっぱい努力する所存です。

・同じミスを繰り返さないように、気持ちを引き締めて業務にあたる所存です。

・情報化に向けて、アプリの開発にも取り組んでいる次第です。

・このようなミスが起きてしまい、深く反省している次第です。

事実の説明・報告の際は『次第です』自分の意思表明では『所存です』を使うようにしましょう。

まとめ

次第ですは、日常会話の中ではあまり登場しない堅苦しくかしこまった表現ですが、ビジネス文書やフォーマルなシーンでは文章全体を引き締めて、より丁寧できちんとした印象を与えます。

所存ですや運びとなりましたなど類似表現も多いため、使い方を間違えないようにしましょう。

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