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「先見の明」の意味とは?具体的な例文や類語も紹介
言葉の意味

「先見の明」の意味とは?具体的な例文や類語も紹介

2021/08/05

『先見の明』は、あらゆる場面で使われる言葉です。聞いたことがあっても正しい意味を知らない人もいるでしょう。先見の明は誤用しやすく、知らないうちに間違った使い方をしている可能性もあります。これを機に正しい意味や使い方を覚えましょう。

「先見の明」の意味や読み方は?

「先見の明」の意味や読み方は?
出典:pexels.com

そもそも『先見の明』とはどういう意味の言葉でしょうか。意味と一緒に由来や誤用の例を知り、正しく使えるようになりましょう。

「先見の明」の読み方は?誤用にも気を付けて

  • 「先見の明」の読み方=せんけんのめい

「先見の明」の読み方は『せんけんのめい』です。音が似ていることから、『せんけんのみょう』または『せんけんのめ』と読まれることもあります。しかし、どちらも正しい読み方ではありません。

これらの読み間違いと同様に、『先見の妙』や『先見の目』も誤用です。『明』も『みょう』と読むことから、先見の妙という誤用が生じたとされています。

先見の目は、意味からも誤用されやすい言葉です。先見の明に『先を見据える力』という意味があるため、『先を見据える目』と解釈しても違和感が少なく、誤用につながっています。

「先見の明」とは先を見据える力のこと

先見の明とは、先を見据える力のことです。『先見』には『物事が起こる以前に見抜くこと』、『明』には『理があきらかで疑いのないことや、物事の道理を見通す力』という意味があります。

先見の明は、未来を的確に見抜くことだけを指す言葉ではありません。物事の道理を理解した上での正しい対応を含む、総合的な判断力や対応力も意味します。

過去形で使われることが多いのも、先見の明という言葉の特徴です。この場合は、多くの人が想像だにしなかった未来を見抜いていた人に対して、追認する表現として使われます。反対に、確実視されている未来に対して先見の明は使いません。

「先見の明」の由来

先見の明の由来は、中国の『後漢書』に収録されている『楊彪伝(ようひょうでん)』とされています。登場人物の楊彪(ようひょう)・曹操(そうそう)・金日磾(きんじつてい)は、いずれも後漢時代の政治家です。

曹操の機嫌を損ねたことを理由に、あるとき楊彪の子どもが処刑されます。後日痩せ細った楊彪に曹操が理由を問うと、「金日磾と違って先見の明がない自分を恥じたから」と楊彪は答えました。

金日磾には子どもがいました。しかし、その子どもの激しい女遊びに、いずれ周囲に迷惑をかけることを危惧し、金日磾は自ら子どもに手をかけたのです。

自分の子が周囲に迷惑をかけると分かって金日磾は子どもに手をかけましたが、楊彪にはできませんでした。自分の子どもを殺めるというちょっと恐ろしい話ですが、これが『先見の明』の由来とされるエピソードです。

「先見の明」の例文

「先見の明」の例文
出典:pexels.com

『先見の明』には、さまざまな使い方があります。代表的な使い方を二つ取り上げ、例文で先見の明の正しい使い方を確認しましょう。

あの人は先見の明がある

『あの人は先見の明がある』は、未来を見据える力のある人に対する使い方です。あることが終わって後から振り返ったときに、そうなることが分かった上での言動だったと気づいたときに使われます。

こうした使い方をするため、まだ結論が出ていないことには使えません。前後に先見の明があることの裏付けを並べるのも、この使い方ではよく見られます。

  • AさんがB社の株で大儲けしているのは、彼女に先見の明があったからです
  • 10年前からYouTuberだったとは、Cさんは先見の明がある人だ
  • 社長に先見の明があったから、あの会社は設立10年で業界1位になれた

先見の明が必要だ

『先見の明』には、過去を追認する使い方以外の使い方もあります。その例が『先見の明が必要だ』です。

  • 競争社会を生き抜くには、先見の明が必要だ
  • 流行を押さえるだけでなく、先取りできる先見の明がマーケターには必要です
  • あらゆる場面で先見の明は必要です

ほかにも、先見の明には『養う』『持つ』などの動詞が使われます。

  • 2年前からあのアーティストに目を付けていた先輩は、先見の明を持っている
  • 先見の明を養うには、学び続ける姿勢が重要だ
  • 先見の明を培うには、失敗を恐れてはいけない

言い換えられる「先見の明」の類語

言い換えられる「先見の明」の類語
出典:pexels.com

『先見の明』と似た意味を持ち、言い換えられる類語がいくつかあります。先見の明の類語を学んで語彙を増やし、適切な場面で使い分けましょう。

「予見」

『予見(よけん)』は、『物事が起こる前にあらかじめ知ること』を指します。将来を見据えた視点を持つ点で、先見の明と同じといえるでしょう。ビジネスシーンでもよく使われる言葉です。

先見の明と予見の違いは時間軸にあります。先見の明は「あの人は先見の明があった」と、後になって過去を判断する使い方が一般的です。しかし、予見は現在の視点から未来を予想するときに使います。

  • このままでは日本の少子高齢化は止まらないと予見できる
  • 明日がどうなるかなど、誰にも予見できない
  • 今年の夏も予見通りの暑さだ

「慧眼」

『慧眼(けいがん)』とは、『物事の本質を鋭く見抜く洞察力』のことです。予見と同じく、フォーマルな場面でも慧眼は使われます。その場合は、接頭語を付けて「ご慧眼」として、目上の人に対して使うのが一般的です。

何かを見抜く点では、先見の明と慧眼は同じといえます。しかし、見抜く対象に両者の違いがあります。先見の明は将来起こり得ることを見抜くのに対し、慧眼で見抜くのは物事の本質で、過去や未来といった時間は関係しません。

  • 3回連続で手品のからくりを見破った彼は、慧眼の持ち主だ
  • 部長のご慧眼には脱帽いたしました
  • 彼女の慧眼がなければ、偽物のブランド品を買わされるところだった

「先見の明」は英語で何て言う?

「先見の明」は英語では次に起きることを見通す「foresight」と訳します。

まとめ

『先見の明』は中国の『後漢書』に由来する言葉で、先を見据える力という意味があります。似た音の言葉と間違いやすく、注意が必要です。

先見の明や類語の意味や使い方を知り、正しく会話で使いましょう。

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