結婚を機に転職を考える女性は増えている
昔は女性に専業主婦を望む男性が多かったのですが、今はそうとは限りません。社会との接点を持っていきいきとした毎日を送ってほしい、経済的にも共働きのほうが生活にゆとりができるので働いてほしいなど、結婚後も女性が働き続けることに賛同する男性がとても増えました。結婚前の仕事を続けることが難しい場合でも、専業主婦という選択肢だけでなく、転職の道を考える女性が増えたことには男性の考えの変化も影響しています。
結婚後も共働きを望んでいる男女は70%以上
結婚後の男女の働き方を調査したマクロミルの調査では、男女共に70%以上が結婚後も共働きを望んでいることがわかっています。また、この数字は年々上昇傾向にあり、従来のような専業主婦を望む男女は減少しています。とはいえ結婚を機に転職をする際には、一人で決めてしまわずにパートナーの意見も十分に取り入れることが大切です。そのための具体的な方法をみてみましょう。
結婚後の働き方についてお互いの希望を話し合う
例えば女性が家庭を優先してパートナーをサポートするならば、正社員だけではなく派遣社員やパートという働き方の選択肢もあるように、何を優先するかで転職の選択肢も変わるはず。
しかし、必ずしも自分の理想としている結婚後の生活が相手の理想と一致するとは限りません。そのため、しっかりと結婚前にお互いの希望を話し合うことで、2人が理想とする結婚像に合わせた転職先探しに活かすことができます。
2人で未来の年表を作ってみる
結婚後の働き方を考える上で、パートナーと人生設計を描くことも大切です。子供は欲しいのか、結婚後何年後に考えているのか、家はどうするか…そのような人生設計も転職先の候補を左右する要素となります。パートナーと人生設計を立てるにあたって、決して事務的にならず、これから家族になる2人の未来を想像しながら楽しんで取り組みましょう。
結婚前と結婚後の転職、どちらのタイミングがベスト?
転職のタイミングを結婚前にするか結婚後にするかでは、それぞれにメリットやデメリットがあります。結婚をきっかけに転職を考えているのであればそれを比較して、まずは結婚前と結婚後のどちらにするか、タイミングを決めて転職活動をしましょう。
結婚前の転職のメリットとデメリット
メリット:転職の幅が広がる
結婚前の転職のメリットは、独身のうちに転職活動をした方が、企業側に柔軟に働いてくれると思ってもらえて転職に成功しやすくなることが挙げられます。
確かに年々産休や育休の取得実績がある企業が増え、女性がこのような制度を活用しやすくなりました。しかし基本的にはどちらもすでに一定期間その企業で働いてきた、戦力といえる女性に働き続けてもらうことが企業側の利点です。
すでに結婚していると、採用後すぐに妊娠などで辞めたりブランクがあいたりしてしまうことを考慮して、企業が採用を躊躇してしまうことは珍しくありません。
デメリット:結婚後の手続きが面倒
結婚前の転職のデメリットは、転職後に結婚するため、姓が変わった場合の手続きなどが面倒になること。 姓が変わると、事務的な手続きだけでなく上司や同僚に加え、取引先の担当者にも姓が変わったことを伝える必要性があります。
転職活動の際に会社に結婚の予定を伝えるかどうかは別として、当然本人は結婚することがわかっているので、転職直後に色々な変更をお願いすることに気後れすることもあるでしょう。
結婚後の転職メリットとデメリット
メリット: 実際の結婚生活の実情を見てから転職活動ができる
結婚後に転職するメリットは、結婚に伴う一連の手続きや転居が終わっているため、実際の結婚生活を送ってから転職活動ができることが挙げられます。
結婚後は、結婚前にわからなかった家庭と仕事を両立する苦労や、理想と現実のギャップに悩むなど、もっとこうしたいという願望が新たに出てくるかもしれません。 結婚後に転職すると、そういった事を踏まえて転職活動をすることができます。
デメリット:すぐに妊娠を考えている場合は小回りが効かず不便
結婚後すぐにでも妊娠したいと考えているのであれば、転職直後に妊娠する可能性もあります。つわりや検診のために、慣れないうちから仕事を休みがちになってしまうかもしれません。
さらに、転職後に一定期間が過ぎていないと産休制度が利用できないケースや、そうでなくても慣れないうちに産休を取れば周囲に迷惑をかけてしまうこともあります。 なかには転職直後の妊娠をマナー違反のように考えている人もいるため、周囲との軋轢が生まれてしまう可能性もあるでしょう。
結婚を機に転職する場合の企業選びのポイント
結婚を考えるまでは結婚したあとの働き方など想像もしていなかった、という人もいるでしょう。結婚に伴う転職だからこそ、事前に知って起きたい企業選びのポイントを抑えておきましょう。
産休・育休の取得実績はどうなっているか
結婚のタイミングで転職を検討する場合、企業の福利厚生とその実績を必ず確認するようにしましょう。妊娠を考えている女性にとっては、今までどのくらいの女性社員が産休・育休制度を利用し、スムーズに復職できているかはとても重要です。
もちろんその実績が多い程、産休や育休を取得しやすい環境だということです。
子供のいる女性に優しい環境であるか
結婚のタイミングで転職を検討する場合、子育てをする女性に優しい環境であるかを確認するようにしましょう。例えば、産休や育休経て復職した後も、子供の病気などで急に欠勤しなければいけないこともあります。
いくら制度が整っていても、実際に配属される部署の人たちに理解がなければお互いにストレスとなり、結果として仕事を続けていけなくなることもあります。また、在宅で働く制度など、育児との両立をサポートする仕組みづくりがあるかどうかというのもポイントになります。
平均残業時間と出張の有無
結婚のタイミングで転職を検討する場合、平均残業時間や出張の有無を確認するようにしましょう。残業や出張が多い職場だと家族と過ごす時間が少なくなり、すれ違いの原因になりかねません。パートナーが働くこと自体には賛成していても、その職場環境によっては、仕事を続けることに難色を示すようになってしまうこともあります。
そのため、家庭とのバランスを考えるのであれば、残業や出張があまり多くない職場を選ぶか、その希望を転職活動中にしっかり企業に伝えましょう。
結婚を機に会社にとらわれない働き方をしてみるのも
結婚のタイミングで転職する場合、会社という枠にとらわれない働き方を検討する余地もあります。会社に属して正社員やパートなどのさまざまな雇用形態で働くだけでなく、自分の特技や趣味を活かせる働き方にはどんなものがあるのでしょうか?
働き方の多様化
会社に属する以外にも働き方が多様化してきている今、自分のペースで好きな仕事をするということも選択肢の1つです。
起業する
結婚までの経験や知識を活かして起業することで、自由に働くという選択肢もあります。例えば、WEBデザイナーやコピーライターなどの職業はフリーランスで活躍している女性も多く、結婚後も家庭と仕事の両立を実現しやすいと言えるでしょう。
実際、育児の合間にフリーランスで働いている人もいます。企業に勤めて時間を拘束されるよりも、仕事にかける時間を自分で調整できるというメリットがあります。ネイルサロンやリラクゼーションサロン、各種デザイン業務などはフリーランスで活躍する女性が多い職種。将来を見据えて今から資格取得の準備を始めるのも良いでしょう。
趣味や特技を活かす
専業主婦として家庭を守ってきた女性が、趣味としていたハンドメイドを活かして教室を開いたり、販売して成功したりするケースも。インターネットを駆使することで個人でも宣伝がしやすく、工夫次第では生徒の獲得や販売先を見つけるのも比較的難しくありません。
在宅ワークという働き方
近年は、クラウドソーシングという新しい働き方が登場しています。クラウドソーシングでは、在宅で働きたい人を多数集め、企業が求める業務内容と働き手が求める業務内容をマッチングし、WEB制作やロゴデザイン、翻訳などの幅広い業務が提供されています。
業務内容には、アプリ制作やWEB開発などの専門的な知識と技術が必要なものもありますが、初心者でも始められる業務もあるため、意欲さえあれば誰でもいつでも始めやすいのが特徴です。
助成金制度
これから起業する人を対象に、厚生労働省が助成金制度を設けています。この助成金制度は「生涯現役起業支援助成金」といって、40歳以上の人が対象という条件がありますが、30代の間に技術を磨いて企業を目指す人におすすめです。
また、国の助成金制度以外にも、クラウドファウンディングで資金を集めて起業している人もいます。この他にも、創業時に申請できる助成金制度も複数あります。民間団体や企業が社会公益を目的として行っている助成金制度もあるので調べてみましょう。なお、助成金制度を申請するためには、さまざまな条件をクリアする必要があるため、事前に確認しておきましょう。
結婚を機に転職を考える場合は慎重に!
結婚という幸せを掴んだからには、家庭と仕事を両立したい!と頑張りすぎてしまう人がいます。しかし、実際に結婚生活を送ってみると、想像をはるかに超えた困難や苦悩に苛まれる可能性もあるため、結婚のタイミングで転職を検討する場合は、さまざまな条件を慎重に考慮してからの決断が求められます。
結婚は2人で人生設計について話し合う良い機会。それを踏まえた転職活動をして、自分らしい生き方に繋げていきましょう。