なんのために貯金が必要?
行動を変えるためには、目的意識が必要です。
「貯められない……」とガッカリした経験をお持ちの人はとくに、「いくら」貯金するかを決める前に、「なぜ」貯める必要があるのか考えてみましょう!
「ずっと一人かもしれないから……」「老後が不安で……」
お気持ちはわかりますが、漠然とした目標で貯金を続けることは案外難しいもの。自分がイメージできる、具体化した目標を考えてみましょう!
たとえば、老後資金であれば、現在の年金世帯が毎月「いくら」貯金を取り崩しているかを参考に考えてみる方法があります。
総務省データ(「家計調査」2017年速報)によると、年金受給単身世帯では平均して月に4万1千円※1、年間で49万円ほど生活費が足りません。65歳から90歳まで(25年間)の不足額を貯めるとすると1,230万円が当座の目標額となります。
現在の貯金額との差を働いている間に貯める計算になります。だとすると、毎月いくらずつ貯めるべきか……。
このように将来必要な資金額から逆算して目標を考えていきます。
「気持ちがついていかない」「そんなに……いきなり、無理!」
目的や金額のイメージがつかない場合は、何でもいいのでまず手近な目標を持ちましょう。貯める“クセ”をつけるのです!
たとえば、今後2年で引越し費用を50万円貯めたいから「月に2万円貯める」。5年の間に住宅購入資金をあと180万円貯めたいから「月に3万円」といった具合です。
貯める目的と期間が定まれば、毎月どれくらい貯めるべきかが見えてきます。
目的があるほうが、闇雲に貯めるよりも励みになり貯金が続けやすい、取り崩しにくいメリットもあります。遠回りに見えますが、「なぜ」貯めるかから考えてみてください。
今から始めなきゃいけない理由は?
目標額は定まった。では、いつから貯めはじめましょうか?
それは、まさに「今」です。この記事をお読みの今月からスタートするのが吉!
なぜなら……。
時間を味方につけて、「ゆっくり」・「着実に」増やすことができるから。
たとえば、65歳までに1,000万円を貯めたいとしましょう。
30歳スタートなら、今から35年間かけて貯めればいいので、年ベースで28.5万円強ずつ貯める計算に。
ところが、40歳から貯めるとすると25年で目標額の1,000万円にするためには、毎年40万円の貯蓄が必要です(金利考慮せず)。
ご存知の通り、金融機関の普通預金金利はいま、超低金利です(都市銀行で0.001%程度※2)。微々たるものとは言え、早くから貯めはじめることで利子が利子を生む“複利効果”も期待できます。
毎月の貯金ペースを下げるため、貯められない人ほど早くスタートすべきなのです。
毎月の貯金額のベストな割合は?
さらに、時期的に今がよいとする理由があります。
そう、冬のボーナスが支給される前だから(笑)
「さあ、貯めよう」と思っても“無い袖は”振れません。
毎月の貯金ペースをさげるためには、ボーナス活用が必須です。
たとえば、年間100万円を貯めようとする場合、ボーナスで目標額の半分50万円を貯めることができれば、毎月の家計から50万円貯めればよくなります。毎月の貯金ペースはぐんと下がりますよね。貯められない自覚がある人ほど、無理な貯金プランは挫折の元です。
今まったく貯められていないのなら、まずはボーナスで「7」、毎月の家計「3」の割合で貯めていってはどうでしょうか。
「貯める」ことを決めたら「やめる」ことも決める
冒頭で、行動を変えなければ貯まらない、と書きましたが、お金を貯めるには、より以上稼ぐか、これまでの支出を見直すかの2通りしかありません。
貯蓄目標が高ければ高いほど、身を切る思いで「やらない」「買わない」何かが必要になってきます。貯めるために何を「やめる」か合わせて決めると、貯められる家計にまた一歩近づきます。
また、目標達成まで長くかかりそうであれば、貯金を頑張った自分へのご褒美に、年2,3回程度の小さな買い物を鼻先のニンジンとしてぶら下げておくのもおすすめです。
お金とのつきあいは一生モノです。
息長く続けられる工夫を二重三重にしておくと挫折しにくいですよ。頑張ってくださいね!
※1 総務省統計局 家計調査2017年速報 P39 https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy03.pdf
※2 三菱UFJ銀行 円預金金利 http://www.bk.mufg.jp/ippan/kinri/yokin_kinri.html
Editor:海老原政子(ファイナンシャルプランナー)
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