2030年には日本の人口の半分が独身になる!
「今のままの日本の社会保障制度では、結婚した方が得でしょう。ただ、私たちのような識者は、書籍や論文や国の委員会などで、今後結婚しなくても同等の社会保障が受けられるような社会にしていかなければいけないと、ずっと提案し続けているんです。
2030年には日本の全人口の50%が独身者になる予測(野村総合研究所調べ)、これを見据えて今の社会制度を改革していかないと、時代に合わない制度が出来てしまう可能性があります。
また、日本は先進国としては珍しく、いまだにいわゆる夫婦別姓すら民法で認められていません。子供を産む場合も、『戸籍を入れないと、子供に不利益』などと言われやすく、婚外子も全体の2%強しかいません。未入籍の女性に手厚い社会保障を約束するフランスでは、出産女性の57%が籍を入れないまま子供を産んでいるのに、です。
そういう意味では、今しばらくは結婚した方が何かと得だ、と言えるでしょうね。 日本で 現状の制度や社会通念を変えていくには、ある程度時間がかかります 」
おひとりさまのインフラも整う?
今後、増える独身女性は70代のシニア層だそう。
「注目されるのが、人口最大のボリュームゾーン、団塊世代(現67~72歳)。彼女らは3歳〜5歳年上の男性と結婚しているケースが多く、男性の平均寿命が約6~7歳短いので、旦那さんが先に亡くなり、その後10年くらいひとりで生きるケースが急増 すると見られています。
ちなみに男女全世代のおひとりさまの内訳は、死別離別が2割、未婚が3割。合わせて5割が独身になる計算。若い層も今以上に結婚しないと見られているので、これから飲食店などにおひとりさまのスペースは増えていくと思います。 いいことでもあるのですが、そうすると、ますます“結婚しなくてもいい”という風潮になっていきそう」
おまけ:それでも牛窪恵さんが結婚をすすめる理由
「結婚には人それぞれのタイミングがあるので、焦って結婚することはおすすめしません。現に私も、27歳のときに焦って結婚しようとして婚約破棄してしまったことがありました。でもその後、30歳で結婚した今の夫のことは本当に大好きで。結婚生活、楽しいですよ(笑)。
そういうことを含めMINE読者の方々には、ぜひ 一度は結婚してみてほしいなと思います 。自分ひとりでは知らなかったいろんな価値観を知ることが出来る し、ひとりじゃないという精神的な安心感もすごく大きいですからね」
PROFILE:牛窪恵
マーケティングライター、世代・トレンド評論家として活動し、「おひとりさま」や「草食系男子」などの言葉を世に広めるほか、経済財政諮問会議の政策コメンテーターなど国の役職等も務めている。フジテレビ系列『ホンマでっか!? TV』ほか、コメンテーターとしても活躍中。