自らブランドを立ち上げるほど、若い頃からファッションにこだわりが
子供の頃からファッションエディターに憧れ、15歳(!)でシャネルでインターンを経験。父が監督で参加したオムニバス映画『ニューヨークストーリー』では脚本とともに衣装も担当するなど、ソフィアにはファッションへの早熟度を物語る仰天エピソードがいっぱい! その熱は大人になっても冷めやらず、X-girlの立ち上げに関わったのをきっかけに、友人とMILKFED.をスタート! 時代とリンクしたクールなアイテムでヒットを連発し、ブランドは90年代のストリートシーンで爆発的な人気を博すことに。ロゴTに代表される、シンプルでちょっぴりガーリーなデザインには、現在の彼女にも通じる好みの片鱗が見て取れる。
鍵を握るのは品の良さ! エスプリの効いたスタイルでファンを魅了
プレーンなシャツやデニムなど、合わせるアイテムはベーシックでありつつも、どこかノンシャランで品がある。ニューヨーク生まれ、カリフォルニア育ちの彼女だけど、現在のスタイルから感じ取られるのはパリジェンヌを彷彿とさせるシックな香り。父親の仕事の都合でパリで暮らした時期があったり、現夫のトーマス・マーズもフランス人だったりと、何かとパリにゆかりの深いソフィア。第二の故郷のように感じている部分が、ファッションにも表れているのかも。流行りをむやみに取り入れるのではなく、自分らしさを引き出すスタイルを追求し、それを人生をかけて楽しんでいく。地に足がついたファッション観には、学ぶべきところがたくさん!
スナップから彼女のコーディネートルールを考察!
【カジュアル編】
ルール1:トラッドなアイテムが中心
カジュアルなボーダーにきれいめのシャツ、シンプルなトレンチ……。パリジェンヌのクローゼットにありそうなタイムレスな服に、デニムをラフに合わせるのが基本。とはいえデコルテや手首は見せて、女性らしさはしっかり演出。
ルール2:落ち着いたカラーパレット
ベースとなるのはモノトーンほか、ネイビーやカーキ、グレーなど主張の少ない色。原色をアクセントとして取り入れるときは、ほかはシックな色で統一し、全体のバランスを整えるのがルール。“あくまで上品に”がソフィア流。
ルール3:靴はリラックスできるものを
シックなワードローブにすっと馴染む、バレエシューズや清潔感のある白スニーカー、フラットサンダルを好んでセレクト。トレンドライクなデザインよりも、長く愛用できるかどうかが、彼女の物選びの軸になっていそう。
上写真左:ソニア リキエルのマリンなカットソーにビーズのクラッチを合わせて。上写真中央:シャツは軽くまくって調整。腕に光るのは愛用しているカルティエの時計、タンク。上写真右:パナマ帽やサングラス、フラットサンダルで、ときにはマスキュリンに。
【ドレスアップ編】
ルール1:モノトーン主役で辛口に
ときに花柄やスパンコールのドレスを纏うときはあっても、デフォルトとなっているのは黒を基調にしたシックなフェミニンなコーディネート。バッグや靴は同系色で揃え、色を挿したりもしない。そのストイックさが逆に個性に。
ルール2:アクセ使いは最小限で
晴れの場でも小物使いは至ってシンプル。ステートメントなジュエリーは一切つけず、華奢な時計やブレスレット、リングをアクセントとしてつけるぐらい。爪もネイルで冒険することなく、普段と変わらずナチュラルなまま。
ルール3:肌の露出は避けて品良く
映画祭やパーティで大胆なドレスを着用するセレブが多いなか、彼女は胸や脚が露出するような衣装は避け、ノーブルなスタイルを貫いている。TPOが変わろうとも、上品さを第一に重んじるあたりが、いかにも彼女らしい!
上写真左:エレガントなリトルブラックドレスは20代のときからの鉄板! 上写真中央:パンツのときは、メリージェーンパンプスでガーリーをひとさじ。上写真右:スタッズ付きのドレスも、ナチュラルなヘアメイクで上品に。
その研ぎ澄まされたセンスは、有名メゾンやデザイナー達を刺激!
ソフィアといえばモード界からラブコールが絶えないクリエイターとしても有名。マーク・ジェイコブスとは、10代の頃からの古い知り合いで、ソフィアは彼のいわばミューズ。プライベートで仲が良いのはもちろん、キャンペーンモデルを務めたり、ブランドのPRムービーを手がけたりと、公私ともに刺激し合う良い関係性を築いている。また、ニコラ・ジェスキエール率いるルイ・ヴィトンとは、バッグをコラボレーション。彼女がデザインしたクラシックな“SCバッグ”は同社の定番モデルとなり、ファッショニスタからも好評価を獲得。そのほかにもカルティエ、ディーオルのキャンペーンムービーを手がけるなど、映画の枠を超えて快進撃を続ける彼女。しばらくその勢いは止まりそうにない。
→連載第4回目は……ソフィアの映画製作へのこだわり、最新作の見どころをフィーチャー!
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Writer : Yuri Tanaka
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