「御校」の意味や読み方
学校についての話題を出すとき、御校と表現することがありますが、どんな意味で使われるのかよく分からないまま使うと、思わぬ恥をかいてしまうかもしれません。正しい意味や、読み方をチェックしましょう。
相手の属する学校を呼ぶ言葉
『御校』は『おんこう』と読み、相手が属している学校に対し、敬意を表したいときに使います。面談で、学校関係者と話す際などに使いましょう。
『御』は尊敬や丁寧な気持ちを表すために使用する接頭語です。『おん』『お』『ご』など、さまざまな読み方ができますが、御校の場合は『おん』と読みます。読み方を間違えないように注意しましょう。
『校』は学ぶ場所を意味し、生徒が集まる学校を表す漢字です。学校を数える際にも、一校、二校というように使用します。
▼使い方の例
・御校の初心を忘れず学び続ける教育方針に、感銘を受けました
・御校では情報処理関連の資格取得対策に、力を入れていらっしゃるそうですね
さまざまな種類の学校に対して使える
『御校』は小学校・中学校・高校など、さまざまな学校に使用できます。専門学校や大学など、教育機関であれば学校の種類に関係なく使用できる便利な言葉です。
例えば、子どもの入学試験での面接や、学校関係者へのインタビューなどで使う機会があるでしょう。会話の中で、毎回学校名を出すのはくどくなってしまうため、御校と言い表した方が、会話がスムーズになるでしょう。
学校ではなく企業に対して、『御社』と表現するときのように使えます。
「御校」と「貴校」の違いは?
貴校という言葉もよく目にするため、御校と貴校のどちらを使ったらよいのか、分からなくなる場合があります。少しでも疑問点がある状態で使用すると、いざというときに間違えてしまいがちです。それぞれの意味や使い方に違いはあるのでしょうか。
どちらも同じ意味
御校も貴校も、相手の学校に対し敬った表現をしたいときに使用し、二つの間に意味の違いはありません。
貴校の『貴』は、尊重や尊敬に値するものや、人物に対して使われます。相手に関する言葉の頭につけると、相手への敬意を表せるのです。
例えば、男性が親しい同僚や友人などを呼ぶときの敬意を込めた表現として『貴兄』『貴殿』などを使うことがあります。
人物ではなく、会社に対して使うと『貴社』となり、意味は御社と同じです。ただし、文語的な表現であり、口語ではあまり使わないことを押さえておきましょう。
「貴校」は書き言葉
御校も貴校も同じ意味なら、どちらを使ってもよいのではと考えてしまいがちですが、話し言葉の場合は御校、書き言葉の場合は貴校を使います。
『きこう』より『おんこう』の方が言葉の響きが柔らかく、意味も通じやすいでしょう。書き言葉として御校を使っても間違いではありませんが、話し言葉としての使用が一般的です。
「御校」に似ている表現
御校と近い意味を持つ表現や、似たような使い方をする言葉は少なくありません。御校の意味や使い方と一緒に覚えておきたい言葉の意味や、使い分け方を見ていきましょう。
「貴学」
貴学は、主に大学を敬って表現したいときに使用します。御校はさまざまな学校に対して使用できますが、貴学は小学校や中学校などには使用する機会は少なく、『大学』をメインに対象にしているところがポイントです。
学校の名称が〇〇学院の場合は、貴学院と表現しても構いませんが、大学院の場合は貴学を使用しましょう。企業から大学に対する案内状などを出す際に、よく使用されています。
▼使い方の例
・貴学におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます
「本校」
御校は相手が属する学校に対して使う言葉で、自分が学校に属している側の立場になったときは『本校』と表現します。『本校の特徴は〇〇です』というように、使用しましょう。
教員や職員などの学校関係者が使用することが一般的で、学校を代表する校長などが『我が校』と表現する場合も同じ意味です。本体となる学校のほかに、分校がある場合に使用することもあります。
▼使い方の例
・本校は自然に恵まれた環境の中にあります
「当校」
当校も本校と同じく、自分が学校に属する側である場合に使う表現です。当校の『当』は、それに当たるという意味があり、直接的な関係がある事柄に対して使います。
『当該する学校』という意味で『本校』『自分の学校』と、言い換えても意味は同じです。学校関係者以外が使う場合もあり、口頭でも文書でも使える表現です。
▼使い方の例
・当校の自慢は、なんといっても明るく勤勉な教師たちです
まとめ
面接や学校関係者との会話の中で、御校という言葉を使う機会があります。あらたまった場面で使われることが多く、正しく使わないと好印象を与えられません。
『御』には相手を敬うときに使う特徴があり、御校は相手の学校を尊重できる表現です。どんな学校にも使えることがポイントで、主に話し言葉として使われています。書き言葉にするときは『貴校』を使いましょう。
本校や当校など、自分の学校を表現する言葉もあわせて覚えておくと、より深く言葉の使い方を学べるはずです。シーンに合った正しい使い方をマスターし、面接や文書の作成などに役立てましょう。