不器用の意味とは
自分が不器用で生きづらいと感じる人は少なくありません。
主に人間関係や仕事・勉強の成果やスピードに対して感じることが多いでしょう。自分ではそう思っていなくても周りの人に不器用と言われたことのある人もいるかもしれません。
今回は不器用な人の性格や長所、不器用だと自覚している人の対応の仕方について解説します。
そもそも不器用とは、本来どういった意味なのでしょうか?
要領が悪いこと
不器用とは、もともとは手先が器用でないことをさします。
現在では一般的に要領が悪いことを意味する場合が多いでしょう。例えば、人づきあいや世渡りがうまくできない人や2つの物事を同時進行できない人のことを不器用と表します。
英語では『clumsy』や『unskillful』と表現されることが多いです。clumsyはドジな人を指すことが多く、unskillfulの方が日本語の不器用に近い表現です。
スキルが十分でない、という表現からもさまざまな物事にスマートに対応できない人物像が目に浮かびます。
不器用の類語も紹介
不器用をほかの言葉で表現すると『ぎこちない』『不手際』『下手』などが類語として当てはまるでしょう。
手先の動きを示すものなのか、要領や手際の良さを示すものかによって使い分ける必要のない『不器用』という言葉はある意味、非常に便利で的確な言葉といえるでしょう。
不器用な人の性格
不器用な人には特有の性格があります。自分を不器用だと思っている人は当てはまるものがないか見ていきましょう。
周りに気を使いすぎる
不器用な人は、性格的に周りに気を使いすぎる傾向があります。自信のないタイプが多く、あらゆる場面で上手く出来なかったら周りの人に迷惑がかかると心配しがちです。
そのため、1つ1つの行動に時間がかかったり、委縮してミスにつながったりします。
また、不器用な人は周りに気を使いすぎて断るのが苦手なため、キャパオーバーな量の仕事や雑事を抱え込みがちです。
手際が悪い人でなくともこなせる量ではないため滞りがちで、不器用な人とのレッテルを貼られます。
優柔不断で決断力がない
不器用な人は、優柔不断で決断力がない面があります。
これは前述した周りに気を使いすぎる性格に起因するものかもしれません。何をするにも周りと歩調が合っているか、どう思われるかを気にしてしまい優柔不断となっている人が多いでしょう。
自信がないために自分の答えが正解かどうか慎重になりすぎて決断に時間がかかり、一度決めたことでも最善だったのか、くよくよ悩むこともあるでしょう。
こうした場面が日に何度も起こることで周りから不器用な人と思われてしまうのです。
臆病で傷つきやすい
不器用な人は繊細で傷つきやすく、そのため臆病な一面があるでしょう。要領よく世渡りができないので、傷つく出来事にあいやすく臆病になっているといえるかもしれません。
人から叱られたり、冷笑されたりした経験が積み重なり、何か行動を起こすときに委縮したり優柔不断になったりしがちです。
過去は過去、と割り切ることがむずかしく、不器用さに拍車がかかっている人もいます。
不器用な人の特徴
不器用な人の性格はどういった場面で現れやすいのでしょうか。不器用な人の特徴をみていきましょう。
柔軟性がなくミスが多い
不器用な人は柔軟性がなくミスが多いです。
要領が悪いと一言で済ませられてしまいがちですが、不器用な人は自分の考えや物事の進め方が正しいか自信がありません。
そのため慎重になりすぎたり言われたことを守ろうとしすぎたりして緊張状態になることが原因と考えられます。萎縮しながら行動を起こすので、周囲の言葉がすんなり耳に入らずミスが生まれやすいといえるでしょう。
また、不器用な人は一度言われたことに疑問点や変化があっても聞き返すことが苦手です。初めに言われたやり方や自分のやり方を押し通そうとするため、要領が悪く非効率的と思われがちといえます。
言葉で表現するのが苦手
かなり昔の話ですが、無口な人や言葉が見つからない時に「不器用ですから」と言うのが流行りました。
「不器用ですから」のセリフが印象的なCMに出演した俳優・高倉健さんの魅力から流行したともいえますが、不器用な人の言葉での表現が苦手な一面をよく表していることから共感する人が多かったのでしょう。
不器用な人は、気持ちや物事を言語化するのが苦手です。言葉足らずで周囲からは考えが読めない人の印象を抱かれがちです。
慎重な性格の人が多く、気軽に言葉にするのに抵抗があったり、言い訳をしたくなかったりといった面が災いしているともいえます。
また、不器用な人は自分がやるべき1つの事に過度に集中しがちなため、そうした周囲の心配に気づけない事があるでしょう。
恋愛においても上手くアピールできない
不器用な人は言葉で表現したり、要領よく立ち回ったりできないので、恋愛においてもうまくアピールできず、相手に誤解を与えたり、ライバルに出し抜かれたりしがちです。
交際関係にあっても、恋人が不安になった時に気づいたり、上手く対応できなかったりするため、相手が不安や不満を募らせることもあるでしょう。
気持ちは十分にあるのに慎重すぎたり伝え方が上手ではないせいで大切な人を逃してしまうこともあります。
不器用な人にも長所がいっぱい
不器用な人の性格や特徴をみていくと短所ばかりが目につきますが、昔から短所は長所とよくいったものです。不器用だからこその素敵な長所がいっぱいあります。
日頃から不器用さを理由に自己嫌悪に陥っている人にもぜひ気づいてもらいたい長所を紹介します。
嘘などが下手で純粋
不器用な人は、純粋で嘘をつくのが苦手な人が多いです。
要領よく世間と付き合っていくためには、時には嘘や媚、言い訳が必要です。不器用な人は純粋なため、自分の心や事実に反したことを思いつきすらしないでしょう。
正直でまっすぐな人柄の人が多く、たくさんの人に理解されなくても、とても親密な関係の友人や恋人に恵まれるタイプといえます。
自分のやり方や考え方にポリシーやこだわりがあり、ゆずれない人も少なくありません。自分以外の人の考えややり方に影響を受けることも少なく、唯一無二の存在感をまとう人も多いです。
なにごとにも一生懸命
不器用な人はなにごとも一生懸命に取り組みます。時間がかかったり、要領よくこなしたりはできないにしても、自分の中で最良と思えるまで些細なことでも一生懸命努力できるタイプが多いでしょう。
そのため、思いもよらない大きな成果を上げたり、大事な場面で重宝されたりします。言い訳をしたり手順を省いたりもしないので、周囲から信用を勝ちとることも多いでしょう。
また、自分のやるべきことに一生懸命なため、人の足をひっぱたり妬んだりすることもありません。何か得意なことや集中できることが見つかれば、周囲にとって非常に魅力的な人物にうつります。
不器用さを治したいなら
不器用なことは短所でもありますが、上手く活かすことができれば長所にもなりえます。
しかし、不器用なことが理由で生きづらさを感じる人もいるでしょう。そのままでいると長所を生かしきれないかもしれません。もし、自分の不器用な面を治したいのなら試してほしい克服法をいくつか紹介します。
家族や恋人など身近な人が不器用さに悩んでいる場合にも参考になるでしょう。
自分を客観視する癖をつける
不器用な人は複数のことを同時進行するのは苦手ですが、一つのことに集中するのは得意です。
そのため周りが見えなくなったり優先順位がわからなくなったりしがちです。融通が利かない、柔軟性がないと捉えられることがあるでしょう。
こうした癖に気づいたら、自分をなるべく冷静に客観視するように心がけましょう。今自分が何をしていて、次は何をすべきか文字に書き起こしたり、口に出したりして言語化してみるのも意識が変わりおすすめです。
朝、1日のタスクを順序立てて並べるのもよいでしょう。思い込みや自分の希望は一旦横に置き、第三者になったつもりで行うと周囲の気持ちを思いやることもできるでしょう。
失敗しないよう準備を怠らない
不器用な人は一つの失敗や自分の思い通りにいかなかったことに、長い間とらわれてしまったり失速したりする傾向があります。
そのため、何事も準備を怠らず、失敗しないように心がけるとよいでしょう。
また、失敗したときのために先を見越して、違った案や考え方、余裕をもったスケジュールを準備しておくことも大切です。
何かに集中している間はなかなか軌道修正がむずかしくなるタイプなので、こうした先回りが心や時間の余裕を生むと覚えておきましょう。
苦手なことは周りに助けを借りて
不器用な人は自分の現状を言葉にして説明したり、いくつもの事案を同時進行させたりすることができません。無理に押し進めればパニックやミスにつながるでしょう。
そのため苦手なことは周りに理解や助けを求めるのが最善の策です。
不器用な人の特徴として、自信がないわりに自分の考えに固執しがちな点があります。
しかし、周囲の意見をきいたり、助けを求めたりすることで、自分では思いもよらなかったアイデアや対応策を得られることがあるものです。勇気を出して周りに助けを借りましょう。
まとめ
不器用とは要領や手際が悪いことを意味します。
そのため、不器用な性格の人は柔軟性がなかったり優柔不断だったりして生きづらさを感じているかもしれません。
しかし不器用な人にも正直さや生真面目さなど長所はたくさんあります。
時には自分を冷静に客観視したり、入念な準備をしたうえで周囲の助けを借りたりしながら長所を生かしていけるといいですね。