生涯独身の女性が備えておくべきこと
近頃女性たちの中には、結婚をして家族を作るという選択肢を選ばず、自分の力で生きていこうと『生涯独身』という選択肢を選ぶ人が増えています。
人生において、生涯独身という選択肢を選んだ女性は、老後に一人でも生きていけるだけの備えが必要です。
未婚のまま老後を迎えることを覚悟している女性達の多くは、働けるうちに働き、老後の心配がないように準備を進めています。
もしも、結婚をする気がなく、生涯独身というスタイルを貫こうと思っているのであれば、しっかりとした準備をしなくてはいけません。
以下では、生涯独身という生き方を選ぶ女性が備えておくべきことについてご紹介します。独身でいることを考えている女性は、ぜひ参考にしてみてください。
老後のために貯金をより意識的に
老後の生活の不安というのは、誰しもが抱いているものです。
生涯独身を選択した場合は、より意識的に老後のための貯金を考えた方が良いでしょう。
老後の生活というのは、若いときのように働けるわけではないので、貯金や年金が頼りになってきます。
『平成26年全国消費実態調査』によると、女性の高齢者単身世帯で無職の場合、年金などの社会保障の給付額の平均は、月あたり約12万円です。
女性が暮らしていくのにかかる月額が17万円程度とすると、年金だけでは厳しいのが現状と言えるでしょう。
このことから、生涯独身で生きていくためには、貯金や個人年金などの備えが重要であることが分かります。
<出典>平成26年全国消費実態調査
公的な福祉制度を把握しておこう
不安なことも多い生涯独身生活ですが、サポートしてくれる公的な福祉制度も用意されています。
とくに有名なのは介護保険制度で、周囲で利用している人を知っているというケースもあるのではないでしょうか。
老後のことを考えると、独身者にとって自分の介護をどうするかは、避けては通れないものです。介護全般においては市役所でも相談窓口が開かれています。
福祉制度の詳細は、住んでいる場所の自治体によって異なることもあるので、事前に調べておき、気になることがあれば問い合わせて相談をしてみてもいいでしょう。
人間関係を面倒くさがらない
1人で生きていくのは気楽ですが、自分を気にかけてくれる人物がいるということは、孤独になりがちなシングルライフではとても重要です。
友人・知人だけではなく、近所に住んでいる人とも関わり合いを持っておくと、いざという時に心強い味方となります。
人間関係を煩わしいと感じてしまう人も、生涯独身であることを覚悟したのであれば、少しずつでも周りの人との関係を築いていくと、より良い独身生活を送れるでしょう。
そもそも生涯未婚率は増えている?
結婚しない人が増えていると言われていますが、実際はどうなでしょうか。
50歳までに結婚をしたことがない人の割合を示す『生涯未婚率』を参考にしてみましょう。
このデータを元に、生涯未婚で生きていく人は実際にどのくらいいるのかを見てみましょう。
男女共に増加している
2015年の国勢調査では、生涯未婚率が男性で23.37%、女性で14.06%と過去最高を更新しています。
2010年と比べてみるとその数は大幅に上昇しており、男性のおよそ4人に1人、女性のおよそ7人に1人が生涯未婚だという結果が出ていました。
このことから『結婚離れ』が進んでいると言われていますが、女性の場合は社会進出や経済的自立ができるようになったとも言えます。
また低所得化などの社会的背景だけではなく、ただ単に恋愛に興味が持てない、良いと思える相手に出会えないからという若者の『恋愛離れ』も生涯未婚率が上昇している理由として挙げられます。
生涯独身は偉人、有名人にいる
生涯独身であっても、成功を収めて歴史に名を残し、幸せに暮らしていた偉人や有名人はいるものです。
ここでは、将来を見据えた時に生き方の参考となるような、生涯独身を貫いた女性を2人紹介していきます。
生涯独身という選択を考えている女性は、ぜひこの2人の生き方を励みにしてみると良いでしょう。
女性の身でありながら仕事で成功したその生き様を知れば、きっと勇気をもらえるはずです。
長谷川町子
『サザエさん』の作者である長谷川町子は、10代の頃から漫画家として活躍していました。
若い頃から働き、世間にも浸透される作品を生み出してきた長谷川先生ですが、72歳で亡くなるまで一度も結婚をしていません。
子供はいなかったものの、妹の娘である姪を自分の子供のように可愛がっており、それが登場人物であるワカメちゃんのモデルになっていると言われています。
ココ・シャネル
女性にとって永遠の憧れブランドである『シャネル』の創立者であるココ・シャネルも、仕事と恋に生きていたと言われていますが、結婚には縁がなかったようで生涯独身を貫きました。
まだまだ女性の地位も低かった時代にも関わらず、強い信念を持って成功した彼女の生き方は、生涯独身を考えている現代の女性にとっても是非参考にしておきたいものです。
生涯独身であることのメリット
結婚しないことを選んだ人が増え、独身でも珍しいことではなく、許容されるようになった現代社会において、生涯独身であることのメリットをご紹介します。
「生涯独身でも大丈夫かな?」と不安に思った時は、以下でご紹介するメリットを考えると、老後の生活が楽しみになってくるかもしれません。
自分の時間を満喫できる
結婚をしていると1人でいられる時間が取れなかったり、家事や世話をしなくてはいけなかったりと忙しさがありますが、独身の場合は自由です。
自分の好きな時間に、好きなことを好きなだけできるという自由さは、独身者の最大のメリットであると言えるでしょう。
休日も自由に使えるので、思いついた時にふらっと旅行へ出かけたり、趣味を極めたり、資格の勉強をしたりと、誰にも邪魔をされずに自分の時間を最大限活用することができます。
誰かの人生に責任を負わなくていい
自分に対しての責任はありますが、他の誰かの責任を負わなくてもいいのが独身者です。
たとえば家族がいると、子供に対して「この子が失敗したら自分のせいかもしれない」と思いこんでしまう人もいるでしょう。しかし、独身であればそういった心配がありません。
他者への責任がない分、失敗をしたら自分に返ってはきますが、家族に迷惑を掛けることはないので、さまざまな事にチャレンジしてみてもいいでしょう。
お金、仕事も自分だけで決められる
家族がいると働いたお金は家族の生活のために使われて、自分に使えるお金がほとんどない…ということがありますが、独身であれば働いて得たお金は、基本的に自分だけのために使うことができます。
趣味に費やすこともできますし、今後人生のために貯めておこうと考える人もいるでしょう。
また、女性であれば結婚のために仕事を辞める必要がありません。
フルタイムでバリバリ働きたい、今の仕事をずっと続けていきたい、キャリアアップしたいと考えているなら、好きなだけ働くことのできる独身でいる方が、有利かもしれません。
生涯独身であることのデメリット
生涯独身であることはメリットがある反面、もちろんデメリットもあります。特に『独身であることによる不安』は大きなデメリットと言えるでしょう。
まだ若いのであればポジティブに考えることができますが、年を重ねていくごとに不安を感じるようになる人も多いのです。
家庭への憧れや孤独死のリスクなど、目を背けてしまいたくなるようなこともありますが、きちんと現実的に考え、生涯独身でいるのかを冷静に考えていきましょう。
以下では、生涯独身であることのデメリットについてご紹介しています。
生涯独身を選ぶことで、どのような問題があるのか事前に把握しておくと良いでしょう。
自分の家族が作れない
独身であるということはつまり、自分の家族をつくれない、家庭を持てないということです。
家族を頼りにしたり、自分の面倒を頼んだりすることも難しくなります。
子供がいれば、老後に援助をしてもらうことも可能ですが、生涯独身の場合はそれをあてにはできないため、一人で生きていく覚悟が必要でしょう。
周りに親しい仲間がいたとしても、血のつながった親族ではないということで、寂しさを感じてしまうかもしれません。
しかし、独身でも子どもを産んだり養子として引き取ったりすることは可能です。
ただし、基本的には1人で育てていくことになるので、相応のお金や覚悟は必要でしょう。
結婚をしなくても子どもは欲しいと考えている人は、自分のことだけではなく子どもの将来を見据えたうえで考えてみてください。
孤独死の可能性
人間にはいつか必ず訪れる『死』ですが、生涯独身の身だと誰にも看取られることなく、更にしばらく気付かれないまま放置された状態で見つかるという、孤独死のリスクが高まります。
こうした孤独死を避けるため、高齢者同士で一緒に住んだり、できるだけ毎日近所の人と顔を合わせるようにしたりなどの工夫をする人もいます。
孤独死を避けるためには、単身者であってもデイサービスなど積極的に外出をして、老後も他人とのコミュケーションを続けていくことが大切だと言えるでしょう。
まとめ
家庭に縛られず自由に生きていくという生涯独身の道をあえて選ぶ女性は、そのための準備や貯蓄は早めに取り組んでおいた方が良いでしょう。
現代に生きる女性にとっては、結婚をして家庭をつくることも一つの選択肢ですし、特に結婚したいと思える人がいないのであれば独身でいることも選択肢の一つとして考えられます。
一生に一度しかない人生ですから、後悔をしないように決めていきましょう。