過剰表現に注意!「二重敬語」って何?
二重敬語とは、敬語に敬語を重ねてしまっているもの、まさに「二重」にしてしまったもののことです。
例えば「食べる」の尊敬語は「召し上がる」ですが、これに「~される」という敬語を重ねて「召し上がられる」とすると二重敬語になります。これは敬語の過剰な表現であり、ビジネスシーンではふさわしくないとされています。
普段言っていない?ビジネスで間違えやすい「二重敬語」
(1)伺わせていただきます
NG文例:明日は○時に御社へ伺わせていただきます。
OK文例:明日は○時に御社へ伺います。
「行く」を謙譲語にすると「伺う」になります。「伺う」に「~させていただく」という敬語を重ねているので「伺わせていただきます」は二重敬語です。
「~させていただく」はよく使いがちな敬語ですが、このように敬語に重ねると過剰な表現になるので気をつけましょう。
(2)おっしゃられる
NG文例:○○様が見たいとおっしゃられたデータを送付いたします。
OK文例:○○様が見たいとおっしゃったデータを送付いたします。
「言う」を尊敬語にすると「おっしゃる」ですね。「~られる」も敬語表現ですので、「おっしゃられる」は二重敬語になります。
同様に、「おっしゃられた通りです」とするのも二重敬語であり間違いです。
(3)拝見させていただく
NG文例:資料を拝見させていただきました。
OK文例:資料を拝見しました。
「見る」の謙譲語は「拝見する」です。「拝見させていただく」は、これまでの例と同様に「~させていただく」と敬語を重ねてしまっている過剰な表現になります。
では、使っている人も多い「拝見いたします」はどうでしょうか?
「拝見する」に「いたします」を重ねているためこれも二重敬語にあたりますが、今ではよく使われる言葉となっているため、決して間違った表現ではないとされています。本来は間違った表現でも、常用されることで正解になることがあります。
(4)ご覧になられる
NG文例:先日ご覧になられたデモ映像はいかがでしたか?
OK文例:先日ご覧になったデモ映像はいかがでしたか?
これも「見る」の敬語表現ですが、「拝見する」が謙譲語に対して、「ご覧になる」は尊敬語にあたります。その動作をする人が自分なら謙譲語、相手なら尊敬語を使うのが通常です。
「ご覧になる」がすでに敬語表現ですので、「~られる」を重ねてしまうと二重敬語になります。
(5)お越しになられる
NG文例:○○様がお越しになられました。
OK文例:○○様がお越しになりました。
来客があった時に「○○様がお越しになられました」と言ったことはありませんか?
これも二重敬語にあたります。「お越しになる」は敬語表現ですので、ここに「~られる」を重ねると過剰な表現です。注意しましょう。
いかがでしたか?
普段何気なくつかっている言い回しもあったのではないでしょうか? 敬語表現は1つだけで十分です。あなたもこの機会に敬語を完璧にマスターしてくださいね。
Editor:Megumi Fukuchi
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