『20センチュリー・ウーマン』のジュリー
真っ白な肌に金髪というアイコニックな若手美人女優のエル・ファニング。彼女が演じるジュリーは、近所に住む親友の女の子という感じで、親しみがあってとびきりキュート。時折自分の男関係をあけすけに語り、かと思ったら恋愛の悩みを吐露しはじめる。夜な夜な幼なじみの男の子の部屋に忍び込んでは、添い寝をして朝方帰っていく。奔放さの中には、不器用に人との距離感を取っていく彼女らしい焦りや寂しさ、優しさが垣間見える。女のコより精神年齢が低い男のコからしたら、彼女のその揺らぎこそが成熟した大人の象徴で、たとえ弄ばれても自分が飛び込むに値する恋愛だと思っちゃう。まるでこの幼なじみの男のコのように。そんな子供と大人の曖昧な境界にいるジュリーは、キラキラ輝くガラス玉のように繊細できれいだ。
【作品情報】
『20センチュリー・ウーマン』
監督:マイク・ミルズ
出演:アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニングほか
DVD¥3,800 発売中
発売元:バップ
© 2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
【STORY】
1979年のサンタバーバラ。シングルマザーのドロシアは、思春期を迎える息子ジェイミーの教育に悩んでいた。ある日、ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家のアビーと、近所に住む彼の幼馴染のジュリーに、彼を助けてほしいとお願いする。15歳の多感な時期にいるジェイミーと、ちょっぴり大人の女性との特別な夏が始まる。
『マラヴィータ』のベル
アメリカンドラマ『グリー』でクイン役のディアナ・アグロンを見た9割の男子が「マジ付き合える」と謎の上から目線で歓喜する(私調べ。そして、男どもの愚かさよ……)。家族とともにアメリカからフランスのノルマンディーに引っ越してきたベルは、実はマフィア一家の長女。優等生のような服装でおしとやかに振る舞いつつも、リミットを超えた時の負けん気も腕力もがっつりハード。でも裏を返せば、自分の芯や信条が堅く自律しているってこと。いざという時の心強さに、男のコの方がキュンとなる! ベルの美貌と狂気のギャップが埋まる時──教師の代理で来た大学生に恋をした時の表情は、可憐な少女そのもの。彼の美しい目に惹かれたように、ベルの瞳も奥深くまで澄んでいて吸い込まれそう。ただ、その無垢な姿を見るためには自分に惚れてもらうしかないけど、なかなかハードルは高いかもね……。
【作品情報】
『マラヴィータ』
監督:リュック・ベッソン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー、ディアナ・アグロンほか
Blu-ray¥1,800/DVD¥1,200 発売中
販売元:ハピネット
©EUROPACORP- TF1 FILMS PRODUCTION – GRIVE PRODUCTIONS
Photo : Jessica Forde
【STORY】
フレッド・ブレイクは泣く子も黙る元マフィアで、家族とともにFBIの証人保護プログラムを適用され、偽名を名乗って世界各地の隠れ家を転々としている。次は、フランスのノルマンディーへ移り住むが、行く先々で何かと血の気が多い一家はトラブルを起こしてしまう。やがてフレッドに恨みを抱くマフィアのドンが、偶然彼の居場所を突き止めて恐怖の殺し屋軍団を現地に派遣する。
『ルビー・スパークス』のルビー
脚本家の両親の間に生まれ、自身も学生時代に演劇の学士号を獲得。本作で脚本・主演を務めるまさに才色兼備を地でいくゾーイ・カザン。落ちぶれ気味の天才作家カルヴィンの夢に出てきた理想の女の子、ルビーを小説のヒロインとして書き始めると、なんと現実世界に姿を現して……。飲み会にいたら、つい目の端で追いかけちゃうくらい、自由でお転婆でウィットに富んでる。生真面目で恋愛下手な彼との凸凹カップルというだけでヨダレものの恋愛方程式である上に、彼らはお互いの人間性や感性にリスペクトを持っててやりとりが心地いい。カルヴィンが書き替えるたびに、彼女の性格が変わっていろいろな”カノジョ像”(もしくは、一人の女のコの中にある数々の性格)が出てくるけど、ルビーがふざけたときに見せるはにかみや、赤髪に隠れる丸い顔とツンとした鼻は、とにかく愛嬌があってかわいい!
【作品情報】
『ルビー・スパークス』
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
出演:ポール・ダノ、ゾーイ・カザンほか
Blu-ray¥1,905 発売中
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
©2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
【STORY】
天才作家として華々しくデビューしながら、その後極度のスランプに陥っていたカルヴィン。低迷期を抜けるため、通っている精神科医の助言に従い、夢に出てきた理想の女の子、ルビー・スパークスを主人公にした小説を書き始めた。するとある朝、彼の前に現実のルビーが現れた。タイプライターを叩いて、思い通りの女の子を作り上げるカルヴィンと、ますます魅力的になっていくルビー。最高に幸せな日々を過ごす2人だったが、ルビーに異変が起こり始める。
『セッション』のニコル
最近では美形スーパーガールとしておなじみのメリッサ・ブノワが演じるのは、主人公の才能豊かなジャズ・ドラマー、ニーマンが恋心を寄せる、映画館で働く大学生のニコル。いつもTシャツやシャツにジーンズという飾らない見た目で、性格自体もまさにノームコアって感じ。人当たりも柔らかく素直で、職人的ミュージシャンである彼を優しく包み込む。なんてことない街のピザ屋に行っても、「おいしい」と目の前のことを一緒に楽しんでくれるって男にとってはすごく救われる(男のコがこの世で一番気を揉むことは、デートで行くレストランを決める時……)。特ににっこり笑うと目立つ、黄金比でできたタレ目が超絶愛らしい。こんな笑顔を見たら、どんなに毎日の仕事が大変でもすぐ癒されちゃう(ちなみに、ニーマンが師事するフレッチャー先生はエグいサイコパス……)。後半、彼と別れてしまう寂しそうな彼女を見て、世界中の多くの男のコが、「俺のところに来い!」と心の中で名乗りを上げたはず!
【作品情報】
『セッション』
監督:デミアン・チャゼル
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワほか
Blu-ray¥2,800/DVD\1,800 発売中
販売元:ギャガ
© 2013 WHIPLASH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
【STORY】
名門音楽大学に入学したジャズ・ドラマーのニーマンは、最高の指揮者と名高いフレッチャーのバンドにスカウトされる。ここで成功すれば、偉大な音楽家になる道が敷かれることになる。しかし待ち受けていたのは、天才を生み出すことに取り憑かれたフレッチャーによる完璧を求める狂気に満ちたレッスンだった。ニーマンは精神の崖っぷちに立たされ、恋人や家族、人生さえも投げ打ちってその頂を目指そうとする。
『グランド・ブダペスト・ホテル』のアガサ
グレイッシュな碧眼が神秘的な印象を与えるシアーシャ・ローナンは、9歳から子役として活躍する演技派のアイルランド人女優。彼女扮するアガサは、かつて栄華を極めていたグランド・ブダペスト・ホテル御用達のお菓子屋さん「メンドル」で働く少女。小麦粉にまみれながら一生懸命ケーキをつくる、おとなしい家庭的な女のコ…… の一面を持ちつつ、実は勇敢で行動派で大胆性格の持ち主で。そのギャップに驚くし、ピンチに陥った仲間を助ける手際の良さに惚れ惚れ!(さっきまでかわいいケーキ、作ってたよね?) 色白でシャープな顔の左側には、メキシコ形のアザがあって、それがまた彼女にミステリアスなムードを湛えてる。学校のサークルや会社の同じ部署にいたら、プライベートが絶対気になっちゃうタイプだ。たぶんこの感じだと料理もうまくて、弱音を吐く僕にうまく発破をかけて元気づけてくれそう。(優しい子だろうけど)アガサなら尻に敷かれたっていい!
【作品情報】
『グランド・ブダペスト・ホテル』
監督:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、エイドリアン・ブロディ、レア・セドゥ、シアーシャ・ローナンほか
Blu-ray¥1,905 発売中
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
©2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
【STORY】
ヨーロッパ最高峰と謳われたグランド・ブダペスト・ホテル。その宿泊客のお目当ては、伝説のコンシェルジュであるグスタヴ・Hだ。彼の究極のおもてなしは、高齢マダムの夜のお相手までこなす徹底したプロの仕事ぶり。ある日、彼の長年のお得意様、マダムDが殺される事件が発生し、遺言で高価な絵画がグスタヴに贈られたことから容疑者として追われることに。愛弟子のベルボーイ・ゼロの協力のもと、コンシェルジュの秘密結社のネットワークを駆使してヨーロッパ大陸を逃げ回りながら真犯人を探す。
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Editor:Hisamoto Chikaraishi
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