《誤フレーズ:1》お客様が「参られました」
お客様が来社された際に「お客様が参られました」と上司に報告していませんか? 「参る」は謙譲語なので、お客様が動作の対象になる時に使うのは間違いです。
「お客様がいらっしゃいました」や「お客様がお見えになりました」と伝えましょう。
また、「いらっしゃる」「お見えになる」は少し口語的な表現ですので、メールで相手に「会社へ来てください。」と記載する際は「弊社へお越しください」と表現するのがベターです。
逆に自分が行く場合は「御社へ参ります」や「御社へ伺います」など「参る」「伺う」を使います。「来る」や「行く」には様々な表現方法があるので、使い方が難しい敬語の一つです。
【来る】尊敬語=いらっしゃる、お見えになる/謙譲語=参る、伺う
《誤フレーズ:2》Aさんが〜と「申されました」
「Aさんが〜と言いました」これを敬語に直した時に「Aさんが〜と申されました」としてしまったら、あなたは敬語が苦手なのかもしれません。
「申す」は敬語表現の一つですが、敬語3種類のうち「謙譲語」に当たります。謙譲語は対象者を低めることで敬意を表すものなので、この場合はAさんを低めてしまっていることに。
正しくは尊敬語で「Aさんが〜とおっしゃいました」と表現しましょう。「申す」は「先ほど私が申しました」など、自分が言った時に使います。
【言う】尊敬語=おっしゃる/謙譲語=申す
《誤フレーズ:3》「どちらにいたしますか?」
お客様に何かを選んでいただく際に、「どちらにいたしますか? 」と言っている人を多く見かけます。
「どれ」を「どちら」と丁寧語で表現しているので正解のような気がしますが、実はこれも間違った言い回しです。「する」の尊敬語は「なさる」、謙譲語は「いたす」になります。「どちらにいたしますか? 」は相手を低める謙譲語です。
正しくは尊敬語で「どちらになさいますか?」となりますので、気をつけましょう。
【する】尊敬語=なさる、される/謙譲語=いたす