「箱推し」の意味とは?
「推し」という言葉は、誰かを強く応援したり、アイドルや歌手グループのファンになったりすることを言います。では、「箱推し」とは誰を応援しているのでしょうか?言葉の意味をまとめてみました。
グループ全体を応援すること
箱推しは、グループのメンバー全員のファンになるということです。アイドルは複数のメンバーによって活動しています。そのメンバー全員が平均的に好き、というのが箱推しです。
しかし、箱推しにもいろんな形があるようです。『〇〇担の箱推し』は、グループ全体を応援しているけれども、同時に誰かのファンであるという場合もあります。『担』は担当という意味で、推しを担当しているという意味合いで使われています。
アイドルはグループ単位で活動しているため、箱推しがドルオタ(アイドルファン)の理想的な形と言われています。しかし、アイドルの命は短く、卒業や新メンバーなど、箱(アイドル)の形は初期と比べて変わり続けてしまいます。
箱が変わっても推し続けられるのか、という箱推しならではの苦悩も抱えているようです。
「箱推し」の言葉の由来
そもそも箱推しの『箱』とは、なんなのでしょうか。もとはライブハウスのことを『ハコ』と呼んでいました。ハコ=ライブ会場までアイドルに会いに行っていたことから、『アイドル全体を応援する』人たちを箱推しと呼ぶようになったと言われています。
「箱推し」は嫌われる?DDとの違いとは?
アイドルグループ内のただ一人だけを応援している人から見たら、「あの人が好き、この人も好き」という箱推しの複数愛が理解できない場合もあるようです。箱推しは、他のファンから嫌われてしまうのでしょうか?
自分なりの応援の仕方でOK
誰を好きになるかは、個人の自由です。たった一人だけを推そうが、グループ全体を推そうが、それはファンの権利なのです。
箱推しになる人は、グループのコンセプトや全体のダンス、メンバー同士のかけあいなど、「グループそのものの空気感が好き!」という人が多いようです。「メンバー全体であのアイドルグループなんだ」と全体を推す愛情が箱推しになる理由の一つなのです。
アイドルは、ソロ活動している歌手とは売り方や魅せ方が違います。メンバーがいてこそのグループです。
メンバー同士の会話や絡みに笑顔し、胸がキュンとなり、互いに助け合う姿に感動したファンも少なくないはずです。箱推しは、グループ全体のファンで全員を応援していることになります。
ネガティブな意味で使われるのは「DD」
『DD』とは、『誰(DARE)でも大好き(DAISUKI)』という単語の二文字を抜き出した言葉になります。
「かっこよければ・かわいければ誰でも好き」「〇〇ならば誰でも好き!」という少し節操のない感じが、ファンたちからは煙たがられているようです。
言葉が出てきた当初は、箱推しと同じような博愛主義の意味で『メンバー全員が大好き!』というポジティブな意味でした。
しかし、だんだんと「あのメンバーなら誰でもいいってこと?」のようなイメージがつき、ネガティブな意味でDDが使われるようになっていったのです。
「箱推し」に似ているネット用語も解説
ネットでは日々新たな造語が生まれては広まり、共有されていきます。現実ではあまり使うことはないかもしれませんが、ネットでしばしば目にする『箱推し』のような単語を集めて解説しました。
特定の人を応援する「単推し」
グループ全体を推す箱推しの対極にいるのが、特定の一人だけを応援する『単推し』です。
単推しは、たとえその推している人がグループを脱退しても追いかけてファンになり続ける傾向があり、グループ全体を見ているわけではない模様です。
単推しと箱推しは、しばしば論争の種になることがあります。たった一人を一途に追いかけている単推し派の人から見れば、グループとはいえ、幾人もの『好きな人』がいる箱推し派が無節操に見えてしまうのかもしれません。
また、単推しはその一途さゆえに、たびたび『同担(どうたん)拒否』をしがちです。同担拒否とは、同じ人を応援しているファンとあまり絡みたくない、という意味で使われています。
ジャニーズファンが使う「G担」
『G担』は『じーたん』と読みます。G担のGは『Group(グループ)』の意味です。G担はグループ全体を応援しており、グループのメンバー全員が好きという表現で使っているようです。
こちらはジャニーズファン(ジャニオタ)が使う、ジャニオタ用語と呼ばれるものになります。
特定のアイドル一人を推す行為を『〇〇担』と言いますが、そのような単語を使い始めたのはジャニオタが最初だと言われています。
好きなアイドルは数あれど、その中でも一番に推しているグループがあるというときに「〇〇のG担!」という形で使用しているようです。
「箱推し」と同じ意味の「全推し」
アイドル推しの中でも、箱推しと同じような意味で使われている言葉に『全推し』というものがあります。『グループ全体を推している』という意味で使われ、意味としては箱推しと同じです。
しかしこちらは、箱推しに比べるとあまり使われていない模様です。ライブ会場のことをハコと呼ぶ文化はアイドルのみならず、ロックやミュージシャン界隈などの音楽業界ではよく使われる単語です。
そのため、箱推しのほうが自然と使われるようになったようです。
まとめ
誰かのファンになる行為は、日々に活力を与えてくれるだけでなく、尊くすらあります。その『好き』という力は絶大で、アイドルの人生そのものを支える力にもなっています。
誰を推しても、ファンはファンです。推す活動で自分も幸せになり、推し活動でアイドルも輝くことができます。箱推しは、博愛主義に基づいた平和的な推し活動なのかもしれません。