そもそもキョロ充とは?
キョロ充はおもに学生を中心に、ネット上でよく使われている若者の言葉です。キョロ充の詳しい意味を知っていきましょう。
周囲に合わせてばかりの人
キョロ充とは、他人の行動ばかり気にして自分の意思が弱く、常にリア充などのキラキラした人たちの後ろをついていく人を指します。
スクールカーストと呼ばれる、学校内の権力争いの中ではリア充枠に入っていることが多いでしょう。しかし、キョロ充はリア充の中では最下位に位置しており、いつリア充のグループからはじかれるかビクビクしているのが特徴です。
プライドが高く、自分の属している仲間の価値が自分の価値であるように思い込んでいます。仲間はずれにされることを非常に恐れており、友人の言われるがままに振る舞う傾向があるのです。
似ているリア充・ソロ充もチェック
キョロ充と似た言葉に、リア充やソロ充があります。
リア充とは、リアル(現実世界)が充実している人物を指す言葉です。恋人がいたり、部活動に精を出していたり、勉強ができたりと、誰が見てもうらやんでしまうような充実した学校生活、または人生を歩んでいる人がリア充とみなされます。
ソロ充とは、ソロ=1人きりでも食事や趣味を楽しんでいる人たちの呼び名です。リア充と同じように、1人でもリアルが充実しているので、リア充の仲間として考えられています。
ソロ充がひとりぼっちの意味である『ぼっち』と異なる点としては、『1人でも十分に楽しい人生を送れているかどうか』という部分です。
キョロ充な人の特徴・心理
キョロ充な人は、どのような心理でキョロ充となってしまっているのでしょうか。その特徴や心理を紐解き、自分に当てはまっていないかを考えてみましょう。
ノリがいい
キョロ充は、リア充の勢いについていこうと必死です。彼らのようになりたくて、なんの話題でもとりあえずノってしまうほどノリがいいのが特徴です。
ノリのいい具体的な例を集めてみました。
▼具体的な例
・飲み会で「モノマネ披露!」など無茶振りをされても応じてしまう
・仲間に呼び出されたら深夜でも行ってしまう
とにかく『ノリが悪い』と評判が落ちることは避けたいので、ついその場のノリに合わせてしまいます。ただのハイテンションな人と違うのは、自分がやりたいと思っておらず、無理してノっている点です。
挙動不審
キョロ充の人は一人になることを異様に怖がります。教室の扉がガラリと開いたら、ついそちらを振り向いて誰が来たのかを確認してしまいます。結果的に常にキョロキョロと辺りを見渡しているため、『キョロ充』という言葉が生まれたのです。
また、自分のいない間に、仲間はずれにされていないかを心配しています。常に、「悪口を言われていたらどうしよう」という危機感を抱いているためでしょう。キョロ充が輝くのは、仲間うちでワイワイと盛り上がっている中だけなのです。
すぐに人の真似をする
キョロ充は、自分に自信がありません。リア充のように人生を自ら切り開いていく勇気や根性がないため、他人の真似をすることでリア充のような人物になろうとしています。
しかしそのままの素の自分だと、うざがられてしまった苦い過去もあるので、人の真似をすることでなんとかリア充っぽく扱ってもらおうとしているのです。
リア充の人が「○○に出かけた」と聞けばすぐ行って自らも写メを撮影し、SNSにアップして『充実してますアピール』をすることでしょう。
しかし、行く動機や行った場所に気持ちのこもっていない投稿は、キョロ充であることをアピールしているようなものです。人真似は、すぐにバレます。
聞き役ばかり
キョロ充は自分の考えに自信がなく流されやすいため、自分の意見や自分の目線といった『自分軸』がありません。何の話題でも自分なりの発言というものができず、聞き役ばかりに徹してしまいます。
聞き役ならば、自らの意見を言わないでいてもその場に参加できます。しかし、ウンウンとうなずいてばかりで何の発言もしていないことを、周りは気付いているでしょう。
周りと感覚がズレていたり、空気の読めない発言をしたりすれば、輪を乱す存在としてリア充グループからはじかれてしまうかもしれません。
キョロ充のリアルが充実しているのは、本人の努力ではなく、周りのキラキラした人たちのおかげです。息を押し殺して、グループにいることを認めてもらおうとしています。その結果、聞き役ばかりになってしまうのです。
周囲から見たキョロ充への本音
キョロ充のターゲットとなっている人たちは、どんな気持ちでキョロ充と付き合っているのでしょうか。耳に痛い言葉ばかりですが、本音を知ることで現実が分かります。自分が「キョロ充かもしれない…」と思ったら、リアルな意見とも向き合う必要があるでしょう。
一緒にいても楽しくない
他人の反応ばかり気にして、自ら盛り上げることができないキョロ充と一緒にいても、周りの人はあまり楽しくはないでしょう。
キョロ充は、自分から話題を提供するということをしません。自分から話題作りをして笑いを起こし、明るい雰囲気にできれば、それはリア充です。
キョロ充にはそこまでの話術もコミュニケーション能力も備わっていないので、リア充の相づちを打つくらいしかできません。意見を求められても「○○君と同じかな」と、誰かに乗っかりがちなのも、話していて楽しくないと思われる原因です。
うざい人だと思われてしまうことも
いつも誰かの後ろにくっついて、愛想笑いを振りまく友人がいたら、疎ましく思われているかもしれません。何となく後ろからついてくるけれども、遊びの計画や、自分から楽しそうな話題を振ることはないからです。
インフルエンサーが言っていることを鵜呑みにしたり、流行っていることはすぐに真似したりするけれど、続かないのでコロコロと言うことが変わります。
キョロ充は自分の心から出た言葉で話さないので、「本当にそう思っているのかな?」と周りには疑問を持っている人もいるでしょう。人によってはそんなキョロ充につきまとわれていることを、迷惑に感じています。
キョロ充から卒業するには
あまりよい印象のないキョロ充ですが、キョロ充を自覚してしまえば「卒業したい」と感じるのは当然のことです。キョロ充から抜け出すために必要なことをまとめました。
自分に向き合う
キョロ充の人は、自分の姿を真正面から見ようとしない傾向があります。「リア充のような才能や輝きなんて、自分は持っていない」と認識するのが恐ろしいからです。
キョロ充の人はプライドが高く、自分より苦手なことが多い人をバカにしがちです。「自分より下の人間がいる」と安心しているようであれば、自分の成長は望めません。弱い人を見下すような態度を取ることも、いずれ周囲からの信頼を失う原因です。
まずは自分自身に足りない部分を受け入れ、長所を伸ばしていく努力を重ねましょう。自分が少しでも得意に思えることにチャレンジすることも必要です。他人の背中ばかり追いかけていても、憧れたその人にはなれません。
他人は寄り添ってはくれますが、あなたの人生を助けてはくれません。自分自身を助け、守っていくのは、あなた自身なのです。
人と比較をしない
キョロ充の人は他人と自分を比較して、自分の劣っている部分ばかりを責めてしまいがちです。逆に「自分より下だ」と感じた人に対しては高圧的な態度を取ることもあるでしょう。しかし、それをやめることこそが、キョロ充卒業の第一歩なのです。
できないこと、つらいこと、自分に足りないものやコンプレックスなど、不幸でネガティブな部分を他人と比べてはいけません。自分よりできないことが多い人を見下すのも同様です。そんなことをしても、気分が落ち込んだり、一瞬の優越感を抱いたりするだけで、成長にはつながらないからです。
リア充の人生は、成功と興奮、羨望にあふれているように見えます。しかし完璧に見える人物でも、見えないところで必死に努力していたり、苦労したりしているのです。
比較するべきなのは、昨日までの自分です。他人と比べて優れている・劣っていると比べるのはやめましょう。小さな積み重ねが、リア充へと近づいていくカギなのです。
夢中になれることを見つける
キョロ充がいつも不安そうにキョロキョロと仲間を探しているのは、自分の中に信じられる信念がないからです。誰かの権力を借りることでしか自信を持つことができないのでは、不安はいつまでも解消されません。
まずは自分の好きなもの、夢中になれることを探しましょう。趣味やサークルに精を出すのもおすすめです。自分が好きなものに真剣に向き合うことができれば、他人の目や周りからの評判なども次第に気にならなくなるでしょう。
夢に向かって前向きに努力を積み重ねることができれば、いつの間にかリア充と呼ばれる人に近づいていきます。
身近なキョロ充との付き合い方も
あなたの周りに、キョロ充はいますか?「あの人、キョロ充だなぁ」と思い浮かぶ人がいても、友人として関係を続けていきたいなら、以下のような方法がおすすめです。
話を引き出す
友人としてできることは、キョロ充が自分の意見を持つことができるよう手助けしてあげることです。
ニュースや時事問題、今日の出来事など、話す内容は何でもOKです。少しでもキョロ充が興味のありそうな話題で、キョロ充から話すことができるように会話を引き出してあげましょう。
「○○についてどう思う?」と尋ねられても、最初は笑ってごまかしたり、別の楽な話題に逃げたりするかもしれません。しかしそこで呆れた顔や、期待外れだという表情をすると、敏感なキョロ充はすぐに察してますます自分の話をしなくなります。
キョロ充の話を否定したり笑ったりすることなく、真剣に聞く姿勢を保てば、キョロ充が押し殺していた本音が出てくることでしょう。
程よい距離感を保つ
キョロ充の人とあまりにもべったりとした距離で関係性を続けていくと、だんだんと依存されるような関係になり、やがてあなたなしではやっていけなくなってしまうでしょう。
そうなるとお互いに苦しい関係になってしまうので、つかず離れず、困っていたら助けるくらいの距離感を保ちましょう。過剰な手助け、やりすぎた世話焼きはキョロ充のためにもなりません。
LINEやSNSなどは即返信してくるのがキョロ充の特徴でもあるので、あまり頻繁に連絡をとりすぎないようにしましょう。友人として適切な距離感を保つことで、お互いにとってよい関係を構築しやすくなります。
まとめ
キョロ充の人たちは、とにかくリア充になりたがっています。
リアルが充実していないと、ぼっちやオタクなどの、スクールカースト下位の人たちと同じになってしまうのではという恐怖感があるのでしょう。しかし、そもそもスクールカーストなどという架空の世界を気にするのは自信のなさの現れです。
自分が「キョロ充タイプかも?」と思った場合は、人をうらやんだり、下に見たりすることをやめ、自分自身や他人を大切にしましょう。本当に付き合いたいと思う人たちを大切にすることが、生きていく上で楽になる方法なのです。