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言葉の意味

ご賢察っていつ使う?意味や例文・類語表現もチェック

2020/04/01

『ご賢察』は、強い敬意をもって接すべき相手に対し使われる、最上級の敬語です。あまり耳慣れない言葉ですが、ビジネスシーンでは知らないと恥ずかしい思いをするかもしれません。意味が分からず迷うことがないように、しっかりと理解しておきましょう。

ご賢察とは?

まずは言葉の意味を確認しておきましょう。敬語としてどのような意味をもつのかということも、併せて解説します。

意味や読み方

『ご賢察』は『ごけんさつ』と読みます。『賢察』という言葉に、尊敬を表す接頭語『ご』が付いた表現です。 
『察する』という意味の『察』と、尊敬の意味で使われる『賢』で構成されています。相手が何かを察することについて、敬意を示す言葉です。

 察するという語には、「推測する、同情する」という意味があります。「気配を察する」「事情を察する」のように使われる単語です。

 単体でも『推察』の尊敬語として扱われます。したがって、尊敬語の賢察に尊敬の接頭語を付けたご賢察は、文法的には二重敬語です。

 しかし、長く使われ定着している表現であるため、誤用にはあたらないとされています。尊敬に尊敬を重ねた、最上級の敬語表現として使用されます。

使い方

ご賢察はどのような使い方をすべき言葉なのでしょうか。使用できる相手などについて理解を深めましょう。

敬意を払っている相手に対して

敬語の中でもかなり敬意を強めた表現です。立場が上の人でも、強い敬意を払うべき人に使うような言葉だといえます。 
ご賢察という言葉を使うだけで、相手は強い敬意を払われているという意識を持ってくれるはずです。 

また、自分に使える言葉ではないことも覚えておきましょう。察するという行動の主体は相手であり、自分ではありません。
相手がこちらの事情や心境を察することに、敬意を払う意味で使います。

 自分が察することを伝えたい場合は、『お察し』を使い、「心中お察し申し上げます」などと表現します。

口頭では使わない?

ご賢察は非常に堅苦しい言葉です。口語ではほとんど使われないと考えてよいでしょう。
最大級の敬意を払いたい相手に対し、重要な書類や大事なビジネスメールなどで使われます。 

また、高名な博士や学者のような見識者に、仕事上で作成した重要な文章の監修などを求めるような場面でも、使用に値する表現といえるでしょう。 

目上の相手に使う敬語表現は、やみくもに敬意を強めればいいというものではありません。

自分や自分が属する組織との関係性を考えて、適切な敬語を選択することが重要です。

使う場面

『お察し』という言葉の置き換えで考えると、意味が分かりやすくなります。「お察しいただき」などを使う状況をイメージしながら、以下で確認しましょう。

状況を理解してほしいとき

こちらが置かれた状況や、考えていることなどに理解を示してもらいたい場面で、よく使われる言葉です。 
例えば、何かをお願いしたり依頼したりするときに、こちらの事情も分かってほしいことを伝えたいようなシーンで利用できます。 

「お察しいただき」というフレーズに置き換えれば、意味を捉えやすくなるでしょう。 なお、お願いしたり依頼したりする意味は持ちません。

したがって、「ご賢察してください」などといった言い回しは間違いです。要望や依頼のフレーズとセットで使う表現であることに注意しましょう。

相手の配慮に感謝するとき

相手が自分のことを配慮してくれたことに対して、感謝の意を伝えたいときにも使えます。 
こちらの事情をくんでくれたときや、心情を読み取ってくれたときなどに、「分かってもらえて感謝します」という意味を込めて使用します。 

この場合も、「お察しいただき」という言葉に言い換えれば、理解を助けてくれるでしょう。 

また、謝罪やお詫びをするような場面でも用いられます。取引先と約束した期限に間に合わなかった際など、ミスをした理由を述べつつ、事情を分かってほしいようなシーンで使われます。

例文

具体的にどのようなシーンで使われるのでしょうか。例文を交えながら確認しましょう。

ご賢察のほど

分かってほしいことを丁寧に懇願する場合には、『ご賢察のほど』を使った敬語表現を使いましょう。以下の例文で確認してください。

▼使い方例▼

・大変申し訳ありませんが、先ほどご説明いたしました事情をご賢察のほど、よろしくお願いいたします。 

・皆様方には多大なるご心配をおかけしますが、○○本人の気持ちを何卒ご賢察のほど、よろしくお願い申し上げます。 

『~のほど』を使う場合は、「よろしくお願いします」をベースとした敬語表現を続けるのが一般的です。
ご賢察がかなり丁寧な言葉であるため、後に続く表現にもできるだけ敬意を込めましょう。

ご賢察の上

『~の上』は、さらに何かをお願いしたり依頼したりする場合に使われる言葉です。
ご賢察の上とする場合は、「ご理解の上、お考えの上」という意味合いで使用されます。 下記例文で使い方を覚えましょう。

▼使い方例▼

・本日は豪雨につき、営業時間を変更させていただきます。皆様にはご迷惑をお  かけいたしますが、ご賢察の上ご理解賜りますようお願いいたします。 

・明日午前1時より、メンテナンスのため約2時間システムの利用が不可となります。ご不便をおかけいたしますが、ご賢察の上ご協力いただければ幸いです。 

・弊社の役員全員が、当案に賛成の意思を示しています。何卒、事情をご賢察の上、ご了承いただけないでしょうか。 

ご賢察の通り

相手の見解に同調するような場合に、ご賢察の通りというフレーズが使えます。「おっしゃるとおり」というニュアンスで使用できるため、以下のように文章へ上手に組み込むことで、相手を心地よい気分にしてあげられるでしょう。

▼使い方例▼

・先日社長がお話しされていた件に関しまして、ご賢察の通り、企画部で新しいプロジェクトが立ち上がったそうです。

・ まさにご明察の通りでございます。当商品は従来のものに比べ、こちらの部分が改良されております。 

・先生のご賢察の通りです。その説明で全てが解決されます。私から申し上げることはこれ以上ございません。 

ご賢察いただき

『~いただき』は、『~してもらう』という意味で使う補助動詞です。
ご賢察いただきとする場合は、基本的に平仮名で表記します。 後ろに感謝や依頼の気持ちを表すフレーズを続けた言い回しとしてよく使われます。
下の例文で用い方を確認しておきましょう。

▼使い方例▼

・弊社の都合により日程を変更させていただきましたが、ご賢察いただき誠にありがとうございました。
 
・なにとぞ事情をご賢察いただき、ご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。
 
・当社ビルのエレベーターは、現在工事中でございます。ご迷惑をおかけしますがご高察いただき、ご了承のほどお願いいたします。 

類語

ご賢察の類語として使える言葉を紹介します。いずれもかしこまった文章で使用される、堅苦しいニュアンスの言葉です。

ご高察

賢察が、単に何かを察することを指すのに対し、高察は、推察力の高さにフォーカスした意味合いを含んでいます。 
「お察しの通り」という表現により敬意を込め、さらに優れた推察力を称える意味で使えば、好印象を与えられる文章が作れるでしょう。 

褒める意味の「ご高察の通りでございます」や、感謝する意味の「ご高察いただきありがとうございます」などは、違和感のない表現です。 

ただし、依頼や謝罪の意味で使うと、少しニュアンスが異なります。置き換えられないことはありませんが、より正確に使うならご賢察を選びましょう。

ご明察

はっきりと事情や心情などを見抜くという意味で使われる言葉です。ご高察と同じように使えます。 
明るいという言葉が含まれているように、推察した結果が見事に当たっていた場合などに使用するとよいでしょう。 

褒める意味や感謝する意味で使うと、意味がスッと通ります。依頼や謝罪の文章ではできるだけ使用しないほうが無難です。 

賢察や高察に比べ、口語にも使われます。状況に合わせて使い分けてみましょう。

まとめ

ご賢察は、相手がこちら側の何かを察するとき、その行為に最大限の敬意を込めて使う言葉です。
事情を理解してほしい場面や、相手の配慮に感謝する場面などで使われます。 非常に堅苦しい言葉ですが、ビジネスシーンで目にすることもあるでしょう。

どのような意味か分からずに迷わないよう、意味や使い方を覚えておきましょう。

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