嫉妬をしてしまうシーンとは
『嫉妬』とは、自分より優れている(ように感じる)相手に対して抱く『ねたみ』『羨望』『憎しみ』『劣等感』などが混じり合った感情です。
まずは、人がついついこの『嫉妬』をしてしまいがちなシチュエーションから確認していきましょう。
恋愛関係
恋愛に嫉妬は付きものと言われますが、その嫉妬をコントロールできずに苦しんでいる人は少なくありません。
とくに、以下のような場面で嫉妬を感じる人が多いでしょう。
・まわりの女性が自分よりもモテていると感じたとき
・好きな人(彼氏)がほかの女性と親しくしているとき
・好きな人(彼氏)がほかの女性を褒めているとき
・好きな人(彼氏)の元カノについて見たり聞いたりしたとき
恋愛関係では、女性としての自分の魅力や、好きな人との関係における自分の立場が脅かされたと感じたときに嫉妬を感じやすいといえます。
仕事関係
仕事のような、自分の能力が客観的に評価される場面でも嫉妬の感情に苦しむ人は多いものです。
仕事関係で嫉妬が生じやすいシーンには、以下のようなものがあります。
・同僚が上司に褒められているとき
・同僚が仕事で成果をあげたとき
・同僚が自分よりも優秀だと感じたとき
・同僚が自分よりも優遇されていると感じたとき
仕事関係では、自分の能力がほかの人よりも劣っていると感じたときや、理不尽な扱いを受けていると感じたときに嫉妬を抱くことが多いといえそうです。
嫉妬とやきもちの違いは?
『嫉妬』と並ぶニュアンスで、『やきもち』という言葉を使うこともあります。
そもそも、『嫉妬』と『やきもち』には違いがあるのでしょうか?くわしく見ていきましょう。
やきもちは嫉妬という感情の中の一つ
「嫉妬はドロドロしているけれど、やきもちはかわいい」
そんなイメージをもっている人は多いのではないでしょうか。
実はやきもちは、嫉妬という広い感情の一部です。
嫉妬が『自分の持っていないものを持つ存在に対して抱く、ねたみや恨みなどの思い』であるのに対し、やきもちは、『特定の存在から愛されたい、独占したい強い思いが原因で生まれる嫉妬』といえるでしょう。
やきもちの根底には、基本的に相手への愛情と信頼関係があります。
それこそが、やきもちがかわいらしく感じられる原因なのかもしれません。
嫉妬は一方通行でも成立する感情
やきもちは、特定の存在から愛されたい、独占したいという強い感情の表れです。
つまり、やきもちは、基本的に愛情を注いでくれる誰かと自分との関係性のなかで成り立つものといえるでしょう。
一方で、嫉妬が生まれるとき、相手との関係性はまったく関係がありません。
テレビで見たセレブに嫉妬する人もいるように、たとえ自分と相手とのあいだに一切の面識がなかったとしても感じ得るのが嫉妬です。
このように、一方通行でもじゅうぶんに成立するのが嫉妬の特徴といえます。
嫉妬のすべてが悪いわけではない
嫉妬というと、ネガティブな感情の代表のように考えられがちです。
でも、嫉妬心がもたらすものは、必ずしもデメリットばかりではありません。
嫉妬は、『自分の持っていないものを持つ存在に対して抱く、ねたみや恨みなどの思い』です。
なにかを手に入れたいという強い思いが源ですから、嫉妬心を逆手にとって、努力や行動を起こすためのモチベーションにもできるでしょう。
ただひたすら誰かをねたみ、恨んでいるだけが嫉妬ではありません。
感情の扱い方次第では、願いを叶えるためのこのうえない原動力となるはずです。
むやみに嫉妬をしないための方法
いったん嫉妬にとらわれてしまうと、自分で自分をコントロールできず、自己嫌悪に陥ってしまいがちです。
ここで、むやみに嫉妬することなく過ごすためのポイントをチェックしていきましょう。
自分に自信を持つ
嫉妬心は、相手よりも自分が劣っていると感じることで生まれます。
「彼は私よりもあの子のほうを意識してるんだ」
「私はあの子みたいにかわいくないし…」
そんな思いが嫉妬の原因ですが、では、果たして本当にあなたは相手よりも劣っているのでしょうか?
人間には、長所があれば短所もあります。
すべてが完璧な人など存在しません。
あなたが嫉妬する相手よりも、あなたが優れているところはいくらでもあるはずなのです。
「あの子は素敵だけれど、わたしにもいいところがある」
そう自分に自信を持つことで、嫉妬心に苦しめられることはなくなるでしょう。
嫉妬対象以外にも興味を持つ
誰かに嫉妬をしているときは、なにかとその相手ばかりに意識が向いてしまうものです。
相手の一挙手一投足に目を留めては、自分と比べて心を乱されてしまうでしょう。
そんなときは、嫉妬対象以外に興味を持つことがおすすめです。
たとえば、恋のライバルに対しての嫉妬心が抑えられないときは、友人との交流や仕事などに目を向けてみるのです。
大きく視野を広げることで、知らず知らずのうちに心の奥で凝り固まった嫉妬心を解放しましょう。
何か一つのことに集中してみる
寝ても覚めても相手への嫉妬が抑えられなくて苦しい、そんなときは、まったく別の集中できる何かを見つけましょう。
嫉妬の対象でないのなら、恋愛でも仕事でも構いません。
いつかはじめてみたいと思っていた趣味や、資格の勉強などもおすすめです。
人の特性として、考える時間が長いものほど意識にのぼりやすくなるものです。
嫉妬の対象以外のものについて考える時間を増やすことで、自然と嫉妬による苦しみも薄れてゆくでしょう。
嫉妬から逃れるための方法
嫉妬から自由になるためには、自分の感じている嫉妬心の正体について知ることが大切です。
自分の心を深く理解するためにも、嫉妬の生まれる仕組みについて確認しておきましょう。
なぜ嫉妬を感じるのか考える
そもそも、人はどうして嫉妬を感じてしまうのでしょうか。
シンプルな例で考えてみましょう。
たとえば、あなたが片思いをしている男性がほかの女性と親し気に談笑していたとします。
このとき、あなたは女性への嫉妬を感じるでしょう。
「わたしだって彼と仲良く話したい」
「あの子、八方美人なんだから」
表面的な感情はこのようなものでしょうが、実は、その嫉妬心の正体は、「彼に愛されたい」というあなた自身の切実な思いです。
恋愛以外についても考えてみましょう。
仕事で優秀な同僚に感じる嫉妬心の正体は「私ももっと評価されたい」という思いですし、お金持ちに感じる嫉妬の正体は「私もたくさんお金がほしい」なのです。
嫉妬の陰に隠れた自分の本当の思いを読み解くことで、嫉妬心への対処もスムーズになるでしょう。
不安や心配が嫉妬に変わっていることも
嫉妬の陰に隠れた自分の本当の気持ちといえば、『不安』や『心配』も見逃せない大切なポイントです。
彼の愛情が欲しいのに手に入らない、仕事で結果を出したいのに出せない、そんなとき、きっとあなたの心には「彼を誰かにとられる不安」や「仕事のポジションを失う心配」が存在するはずです。
そんな不安や心配が、形を変えて自分を脅かす相手への嫉妬心となっている可能性についても考えてみると良いでしょう。
男性や友人に嫌われない嫉妬の出し方
解消できない嫉妬心にいつまでも苦しんでいるくらいなら、その気持ちを少しでも表現して理解を得るのもひとつの方法です。
ここでは、男性や友人に嫌われない嫉妬の表現方法について見ていきましょう。
嫉妬した時は口に出さない
嫉妬を伝える手段として、『あえて嫉妬を口に出さない』のも有効なテクニックです。
たとえば、彼とのデート中に、彼の元カノとばったり出くわしたとしましょう。
笑顔でやりとりをする打ち解けた2人の様子に、あなたは内心気が気ではありません。
そんなとき、あえて言葉で伝えるのではなく、そっと彼の腕に手を回す、彼の服の袖口をキュッとつまむなどのアクションを起こしてみましょう。
これらも立派な嫉妬心の表現です。
あなたのかわいらしい嫉妬を、きっと彼はとても愛おしく感じてくれるでしょう。
少し落ち着いてから伝える
たとえば、女友達の多い彼と付き合っている場合、仲の良さそうな彼と女友達との様子に日々嫉妬心を燃やしてしまい、苦しくてたまらないこともあるでしょう。
そんなときは、黙ってガマンしていても苦しみが募るばかりです。
自分の気持ちを彼に伝えることが必要になりますが、だからといって、嫉妬を感じたそのままの勢いで感情をぶつけてしまうのは避けましょう。
というのも、嫉妬をはじめとするネガティブな感情は、たとえ本人にその気がなかったとしても、相手を責めているかのようなニュアンスで伝わってしまいがちだからです。
彼が好きだからこその嫉妬にもかかわらず、それを伝えることで彼との仲が険悪になってしまっては本末転倒です。
いったん感情を落ち着かせてから穏やかに伝えるようにしましょう。
怒りや不満で伝えない
嫉妬心を打ち明けるとき、言葉選びはとても重要です。
彼と彼の女友達の仲の良さに対して嫉妬していたとき、「どうしてほかの女の子と仲良くするの?」「私の気持ちも考えて!」と言われて、素直に受け取れる男性は少ないでしょう。
嫉妬心を伝える場合、あくまでも主語は自分です。
「あんまりほかの女の子と仲がいいから、私、心配なんだ」
「私、いまちょっと不安なの…」
こうした伝え方をすれば、彼はきっと、あなたを不安にさせたことを反省し、ふるまい方に気を配ってくれるはずです。
嫉妬を伝えるにあたって、怒りや不満をそのままぶつけてもメリットはないと心得ておきましょう。
まとめ
嫉妬とは、『自分の持っていないものを持つ存在に対して抱く、ねたみや恨みなどの思い』です。
大切なものや、叶えたい思いがある人であれば、誰しも避けて通れない感情と言っても過言ではありません。
とはいえ、嫉妬は基本的に感じている本人を苦しめるものです。
できるなら感じずに過ごしたい人が大半でしょう。
嫉妬とじょうずに付き合っていくには、嫉妬の正体や、むやみに嫉妬せずに過ごす方法を知ることが大切です。
そのうえで、相手を不快にさせない伝え方を身に付ければ、嫉妬に振りまわされて苦しむことはなくなるでしょう。
自分の内面と向き合いながら、嫉妬を成長のモチベーションに変えて素敵な未来をつかみとってくださいね。