そもそも愛嬌ってどんなもの?
「愛嬌(あいきょう)のある女性」「下手な歌もご愛嬌」という言い方をしますが、「愛嬌」とは、具体的にどんな態度や言動を指しているのでしょうか?
意味的には好感を持ちやすい態度など
辞書で調べると、「愛嬌」にはたくさんの意味があります。広義的には“人に愛されやすい態度や言動”のことで、人に媚を売って好かれようとするのではなく、生まれながらに持っている可愛らしさ・美しさ・ひょうきんさなどが含まれていると考えましょう。
たとえば、“愛嬌たっぷりのしぐさ”といえば、ちょっとひょうきんなさま。“愛嬌のある人”であれば、にこやかで感じのよい人を指します。
人物に対して使うときは、女性に多く用いられる傾向があるようです。 一方、「下手な歌でもご愛嬌」「ご愛嬌ということで…」などの「ご愛嬌」とは、余興や人に好かれるちょっとしたサービスを意味しています。
柔らかな雰囲気や笑顔を絶やさないこと
愛嬌という言葉は、仏教用語である「愛敬相」(あいぎょうそう)に由来があるとされています。
愛敬相とは、慈愛に満ちた、穏やかな仏様の表情を指しています。愛敬相が愛敬(あいぎょう)に変わり、読み方が「あいきょう」になったことから、「愛嬌」の文字があてられました。
可愛らしさだけでなく、仏様のような穏やかでニコニコした親しみやすい雰囲気があることも覚えておきましょう。
愛嬌と混同しやすい言葉に「愛想」がありますが、意味は異なります。愛想は主に、人に対する対応を指し、愛嬌はその人に備わっているものを指します。
愛嬌のある女性が好まれる理由
「男は度胸、女は愛嬌」という言葉があるように、世間には、愛嬌のある女性がよいとされる風潮があります。
なぜ多くの人は、愛嬌のある女性を好むのでしょうか?その理由を6つのポイントから解説します。
基本的に素直
前述したとおり、愛嬌はその人が元来もっている性質です。
相手によって態度を変えるような人や、愛想笑いの多い人は、愛嬌のある女性とはいえないことが分かるでしょう。愛嬌のある女性が好かれるのは、心からの笑顔や素直さが魅力的だからです。
変に格好つけずに、嬉しかった場合は「ありがとう」、自分が間違っていたら「ごめんなさい」と謝れることが大切でしょう。
裏表がない素直な女性は、周りに対し安心感ややすらぎを与えます。
いつも笑顔でいる
愛嬌のある女性の大きな特徴は笑顔が多いという点です。笑顔なくしては、愛嬌もないといっても過言ではないでしょう。
一緒にいて、笑顔がない人と絶えず笑顔がある人とでは、どちらが楽しいですか?リアクションがある人とない人では、安心感や心地よさが全く違うのではないでしょうか。
本心からの笑顔は、その場を明るく和やかにします。また、気分が沈んでいるとき、言葉は少なくても優しい笑顔があるだけで、心がホッとするはずです。
愛嬌のある女性は、どんなときも笑顔でリアクションを返してくれるので、男性にも女性にも愛されやすいといえるでしょう。
ムードメーカー的なところも
場がちょっと険悪な雰囲気になったとき、または何となく盛り上がらないとき、愛嬌のある女性が1人いるだけでその場がふんわりと明るくなるのを感じませんか?
愛嬌のある女性は、場の雰囲気をポジティブに変えられる、または状況に応じて心地よい雰囲気づくりができるムードメーカーであるといえます。
愛嬌には「ひょうきん」や「憎めない表情」という意味が含まれています。こうした態度や言動がその場の雰囲気をよくして、みんなを楽しい気持ちにしてくれるのです。
男女で態度が変わらない
愛嬌のある女性は、基本的に男性からも女性からも好かれます。その理由は、男女で態度が変わらないためでしょう。
男女で態度が変わる女性のことを「あざとい女性」と表現する場合があります。
本来、あざといとは、欲があり抜け目がないという意味がありますが、最近のネット用語では「あざとい女性」というと、男性に特別な態度を見せて気をひこうとする女性を指すことが多いです。
愛嬌のある女性は、こうしたあざとさや計算高さがないゆえに、同性からも好かれるといえるでしょう。
実は頭がいい
ひょうきんで可愛らしいという点では、『愛嬌のある女性=ほんわかした女性』を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、ムードメーカーで、気の利いた返しができる点から考えると、実は頭の回転が速いことが分かります。
焦点がズレた話をしても言いたいことをちゃんと分かってくれたり、絶妙なタイミングでリアクションを返してくれたりするところに人は魅力を感じます。
ここでいう「頭がいい」とは、勉強ができる、仕事ができるという知的さとはちょっぴり意味が違います。全体を見渡せて、臨機応変に対応できる気配りの上手さや器用さともいえますね。
ちょっと天然も入っている
愛嬌のある女性は、頭がよくて、気配り上手ではありますが、完璧なクールビューティーとは異なります。ときにはミスやドジをしたり、天然っぽい言葉や動作が見られたりするのも特徴でしょう。
失敗すればきちんと謝り、嬉しいときは言葉や動作で素直に気持ちを伝えるので、周りの人にとっては憎めない存在になります。
天然を装っているが実は計算高い女子も世の中には存在します。天然で、且つ愛嬌のある人は、常に自然体でありのままなので裏表がありません。
男性の前だけでなく女性の前でも、天然の可愛らしさを発揮するので、すぐに見分けがつくでしょう。
愛嬌がないといわれがちな女性は?
愛嬌のある女性の魅力を説明してきましたが、今度は「愛嬌がない」といわれがちな女性の特徴を考えてみましょう。また、愛嬌を愛想や媚と勘違いしているパターンについても解説します。
あまり笑わない
目じりが下がり、口角が上がった笑顔は、人と人の壁を取り除きます。明るくチャーミングな笑い声や親しみを含んだあいづちは、女性を可愛らしく見せますね。
一方で、何を言っても無反応で「ふーん…」「そうなんだ…」と気のない返事をする人、口元は笑っていても目が笑っていない人、フンッと鼻で笑うだけの人はどうでしょうか。
人間は自分の感情を喜怒哀楽で表現します。笑顔がなく表情が乏しい人は、愛嬌があるとはいえないばかりか、感情を表に出さない「よく分からない人」「冷たい人」になってしまうでしょう。
また、常にイラついていたり、ネガティブさで沈んでいたりする人も、愛嬌とは程遠い位置にいます。
共感よりも解決策を述べる
ただ話を聞いてもらいたいという気持ちで話をしている相手に対し「~すればいいんじゃない」と共感より先に自分の意見を述べてしまうケースがあります。
理論的に解決策や意見を述べられてしまうと「それはそうだけど」「それはもっともな意見だけど…」と相手は返す言葉がなくなってしまいます。上から目線のアドバイスに感じる場合もあるでしょう。
また、相手の話に対して、「でも」「だけど」と常に否定語で入ってしまう人も愛嬌とは程遠いですね。愛嬌のある女性はたとえ反対の意見を持っていたとしても、相手を受容し、傾聴する姿勢を示します。
「そうだよね」と温かいあいづちや共感の言葉をかけることで、相手との距離をグッと縮めるのです。
愛嬌の使い方を間違っている
自分では愛嬌があるつもりでも、他人の目には、単なるあざとい女性に見えることがあります。
愛嬌とあざとさは、見分けがつかないこともありますが、以下のポイントをチェックしてみましょう。
・同性からのウケが悪い
・異性に好かれたいという下心がある
上の2つに当てはまるならば、あざとさかもしれません。
自分の可愛さを自覚し、か弱い女性を演じている可能性が高いでしょう。愛嬌のある女性は男性への下心がないため、同性にも好かれます。
また、愛想のいい人も愛嬌と勘違いされやすいですが、あくまでもにこやかに対応しているだけで、本質もそうであるかは判別できません。
愛嬌がある女性にはタイプがある
愛嬌のある女性にはいろいろなタイプがありますが、大別すると以下の三つになります。もし、自分が愛嬌のある女性を目指したいと思うなら、自分の性格に近いパターンを参考にするのもいいでしょう。
周りを明るくする話し上手タイプ
一つめは、周囲を明るくする話し上手タイプで、場を盛り上げるムードメーカーともいえるでしょう。よく気が利き、頭の回転が速いので、一緒にいるのが楽しく感じます。
話し上手は聞き上手といわれるように、相手の気持ちを察することも得意です。周りからは「ノリがいい」「明るい」と評されることが多いタイプでしょう。
ひたすら素直な年下タイプ
二つめは、素直で裏表がない年下タイプです。年下とは限りませんが、年下のように純粋で可愛がられる女性がこのタイプに該当します。
聞き役に回りやすく、どんなことでも素直に受け止めてくれる広い心の持ち主であるといえるでしょう。人が言ったことに対して反論したり、否定したりしないので、安心して会話ができます。
素直で笑顔が素敵な人は、とりたて美人でなくても可愛らしいと思われることが多いです。
行動が丁寧、柔らかな上品タイプ
3つめは、物腰が柔らかで上品なタイプです。謙虚さや素直さがあり、会話の中でも相手の意見を尊重してくれるので、信頼感を感じられるでしょう。
動作の中に優雅さがあり、焦ってせかせか動いたり、ガチャガチャとうるさい音を立てたりはしません。じっくりと取り組むことを得意とし、人に対しても物に対しても対応が丁寧です。
時折、目が合うとニコッとする笑顔に、胸がときめく人も少なくないでしょう。
愛嬌がある女性になる方法とは
これから紹介するのは、愛嬌を身に着けるための方法です。『愛嬌がある女性の条件』に当てはまらなかった人は肩を落とさずに、少しでも近づく努力をしましょう。
まずは何か一つだけ取り入れてみよう
愛嬌は、その人の内側からにじみ出てくるようなもので、一朝一夕では身に着けられません。
無理して愛嬌のある女性を演じようとするのは浅はかで、一歩間違えば、あざとい女や媚を売る女といわれてしまうでしょう。
まずは、さきに紹介した愛嬌のある女性の特徴や好かれる理由から、自分ができそうなものを一つだけ取り入れてみましょう。
愛嬌のある女性の三つのタイプのうち、自分に最も近いタイプを理想として目指すのもおすすめです。
あいさつは笑顔で
愛嬌のある女性は、常に笑顔で、周りを明るくします。笑顔を絶やさないのは難しいですが、せめてあいさつだけは笑顔でする努力をしましょう。
こんなあいさつをしている人は「愛嬌も愛想もない!」と思われているかもしれません。
・聞き取りにくいボリュームでのあいさつや返事
・目をあわせない
・機械的・無表情
明るい笑顔で声をかけられるだけで、相手は「今日も頑張ろう!」と思えるものです。明るい笑顔の挨拶を続けていると、それが次第に定着し、少しずつ愛嬌へと変わっていくでしょう。
また、相手に挨拶をされたり、話しかけられたりしたときも、笑顔で返せるようにしたいものです。
甘え方を覚える
愛嬌がないと思われやすい人の特徴として、人に頼らず、何でも自分だけでやってしまう性格が挙げられます。
人に頼らずに解決しようとする姿勢は素晴らしいものですが、逆に「たまには頼られたい」と思うのが人の心理です。
自分の中の要求を素直に表現するのはなかなか難しいかもしれませんが、ちょっとずつ甘え方を覚えていきましょう。
警戒心を一段下げる
愛嬌がある女性がみんなに愛される理由は、気軽に話しかけやすい雰囲気があるためです。完璧ではなくどこかに隙のある女性ともいえるでしょう。
モテない女性は、警戒心が強くガードも固いため、近寄りがたいですね。または高嶺の花と称され、遠くから眺めるだけの存在で終わってしまいます。
逆に警戒心が全くない女性は単なる軽い女とみなされてしまうので、まずは、その警戒心を一段だけ下げてみましょう。
・笑顔を意識し、みんなが話しかけやすい雰囲気を作る
・できるだけありのままの自分を見せる努力をする
・自分からフレンドリーに話しかけてみる
・仕事とプライベートでのギャップを見せる
勘違い女にならないための注意点
愛嬌のある女性を目指すうえで注意したいのが、勘違い女になってしまうことです。
一歩間違うと、同性の反感を買い、異性には「めんどくさい女」のレッテルを貼られてしまうかもしれません。
愛嬌で男性にだけ好かれようとしない
愛嬌で男性にだけ好かれようとする女性は、同性の目には媚を売る女に映ります。
媚とは、男性にだけ笑顔を振りまく、守ってあげたいか弱さを演出する、上目遣いで甘えるなど、自分らしさを捨て相手にへつらう、または取り入ろうとする態度を意味します。
一方、愛は自分らしさを失うことはせず、ありのままで好かれることです。
勘違い女にならないためには、異性だけでなく、同性との良好な関係性を築き上げることが前提でしょう。
甘えることとわがままは別
愛嬌のある女性は、甘え上手です。しかし、女性の中には、甘えることとわがままを勘違いしてしまう人もいるようです。
わがままは、常に自分中心で、相手のことを考えません。相手の気分や事情を無視してでも要求を通したがる態度は、横柄な印象を与えます。
一方、甘え上手は、あくまでも相手ができる範囲でお願いし、相手を嫌な気分にさせません。嫌味がないので、つい聞いてしまうことが多いようです。
愛嬌のある女性を目指す人は、甘えとわがままを履き違えないように気をつけましょう。
男性の愛嬌も参考に
ひと昔前まで、男性に必要なのは、決断力や物怖じしない度胸といわれていました。しかし、今は、愛嬌のある男性がモテる時代になっています。
人気がある男性を観察してみる
愛嬌のある女性を目指すなら、愛嬌のある男性を観察し、参考にするのもいいでしょう。
そもそも愛嬌のある男性とはどんなタイプなのでしょうか?
・優しい笑顔に癒される
・困ったときは快く手を差し伸べる頼りになる存在
・話し方や態度が明るく、ポジティブである
・美味しそうに食事をする
・夢中になれる趣味や目標がありイキイキしている
女性の愛嬌との共通点もありますが、男性ならではのポイントもありますね。
男性の愛嬌は、媚やあざとさと勘違いされることが少ないので、愛嬌のある女性を目指す人の参考になるでしょう。
まとめ
愛嬌のある女性は、異性だけでなく、同性からも愛される憎めない存在です。
下心を持って愛嬌を身に着けようとすると、勘違い女になってしまいます。
基本的なことですが、まずは明るい挨拶・笑顔・ポジティブな心遣いを習慣化するところから始めてみてください。
日々の積み重ねが習慣化することで愛嬌のある女性になれるのです。