失恋して辛いと感じるのはなぜ?
なぜ人は、失恋をしたときに辛くなるのでしょうか。破局してすぐであれば、胸に穴が開いたような空虚さを感じたり、「あのときこうしていればよかったのに」と後悔したりすることもあるはずです。苦しい原因を知ることは、回復への第一歩になります。
強い喪失感に襲われるため
失恋の辛さとしてまず挙げられるのは、大切な人を失った強い喪失感です。目の前が真っ暗になり、心が張り裂けそうになる人もいるでしょう。
今まで楽しかったことがつまらなくなり、食べものの味が分からなくなる、朝に布団から起きられないといったプチうつ状態になってしまうこともあります。
これからどう生きていったらいいのか分からなくなるほどショックを受けるのは、それだけ相手を深く思っていたことの裏返しです。恋の本気度が強いほど、別れてしまった喪失感は大きいものになります。
自分の価値を感じられなくなるため
恋する思いが拒絶されたことで、自分を否定されたように感じる人は少なくありません。実際に非はなくとも、「私自身に何か悪いところがあったから『いらない』といわれたんだ」と感じてしまいます。
人に認められたいという気持ちが大きく、自分に自信がない人ほど、この傾向は強くなるようです。
元彼がそこまで否定的なことを言っていなくても、勝手に想像を膨らませ、原因を悪い方へ考えすぎて自分を責めてしまいます。下手をすると、存在価値まで否定されたような気がして落ち込んでしまうのです。
元彼に対しての行いを後悔するため
過去に自分が元彼に言ったセリフや行動を後悔し、罪悪感で苦しむのも失恋して辛い理由です。相手にまだ未練があるので、「もしあの行動がなかったら、別れずに済んだかもしれない」と考えてしまいます。
振られた直接の原因でなくても、「あのときこうすれば違う結果だったかもしれない」「なんてひどいことを言ってしまったのだろう」と、後悔が押し寄せるのです。
挙げ句の果てには、自分のいたらないところばかりが目について自信をなくし、余計に苦しんでしまいます。
失恋して辛い期間はどれくらい続く?
失恋して辛いときは、出口の見えないトンネルにいると感じるかもしれません。どれくらい経てば、心をえぐられるような思いは消えるのでしょうか?辛い期間は人それぞれですが、失恋後の心の変化に一定の傾向があることも知られています。
3カ月以上続く場合もある
失恋して最初の1週間から1カ月の間は、最も辛い時期だといわれています。そのような状態がいつまでも続くのは、耐えられないように感じるでしょう。しかし、だんだんとショックは薄れていきます。
多くの場合、1カ月を過ぎると少し落ち着いてきて、3カ月を越えたあたりで別れた事実を受け入れられるようです。もちろん個人差はありますし、好きな気持ちが強ければ1年以上長引く人もいます。
しかし、いつまでも同じ辛さが続くわけではありません。焦らず、自分のペースで失恋と向き合いましょう。
何年も続く場合は考え方を変える必要あり
失恋の辛さは、一般的に3カ月ぐらい経つとやわらいでくるものですが、例外もあります。何年も心の痛手を引きずってしまうケースです。こういう場合は、「失恋を二度と経験したくない」という無意識の防衛が働いている可能性があります。
心理学によれば、『現在の感情は過去に関係なく、果たしたい目的のために自ら選んだもの』なのです。新しい恋に出会わなければ、新しく傷つくこともありません。失恋に浸り、留まることで、これ以上傷つかないようにしているのです。
別の見方をするなら、意識の持ち方を変えることで驚くほど心が軽くなるといえます。元彼とヨリを戻すのでない限り、自分のためにも前に進むしかありません。
辛い失恋を乗り越えるための方法
本気の恋が終わってしまったら、失恋の痛みは避けられません。とはいえ、辛い時期は少しでも早く通り過ぎてほしいものです。自己嫌悪や後悔で混乱している頭の中を整理し、現状を冷静に受け止めるための方法を紹介します。
別れは必要な選択だったと考える
「振られた」という受け身の考え方は、前向きな行動を起こしにくくします。次のステップに踏み出すためには、「自分で決めた」という心構えが大事です。
例えば、相手が別れを切り出してきたとしても、それを受け入れて自分で区切りを付けていきましょう。「今までありがとう」といった感謝の言葉でピリオドを打つと、主体性を実感しやすくなります。
あるいは、失恋と同じぐらい辛かった出来事を思い出すという方法もあります。「今までも辛いことを乗り越えてきたんだ」という気づきは、自分自身の人生を決める自信を与えてくれるでしょう。
別れを選んだ理由を書き出す
失恋を客観的に見るには、思っていることを全て紙に書き出すのが有効な方法になります。自分が気づかずに、恋人を美化していたと自覚できるからです。
このとき、スマホやパソコンを使ってはいけません。必ず紙に書くのがポイントです。書くのが苦手な人は、声に出してつぶやくのも効果があります。
まず、自分の感情を気が済むまで書き出し、次に「彼がいかにひどい人だったか」を書きます。別れたからには、何か相いれなかったところがあるはずです。こうすれば相手への感情をフラットにして、冷静に振り返ることができるようになります。
次の恋のために反省点を書き出す
次の恋をすてきなものにするためにも、今回の反省から学ぶことは大事になってきます。もし、相手がろくでもない人だったとしたら、付き合う前に見分けられるようにならなければなりません。
『実は口先だけで、平気で約束を破る人だった』『私には優しかったけれど、関心のない人間には冷たかった』など、今後の恋人選びにおいて役に立つところがありませんか?
また、相手だけでなく、自分の態度にも反省点がなかったか思い出してみましょう。『彼氏の都合を考えず私の気持ちだけで突っ走っていた』『自信がなくて、パートナーを試すような行動が多かった』といった反省から、恋を長続きさせるコツを学べます。
辛い失恋からの立ち直り方
失恋から立ち直るには、どうすればいいのでしょうか?別れたのは仕方なかったと理解している場合でも、心まで納得できるとは限りません。辛い状況にあるときの心の落ち着け方を紹介します。
好きなだけ泣く
泣くことには、感情を洗い流す作用があるといわれています。とにかく思う存分泣いて、悲しみや怒りを吐き出しましょう。
中には、「いい大人が泣くなんて恥ずかしい」と思ってしまう人もいるようです。しかし、中途半端に我慢して感情にふたをしてしまうと、失恋を長く引きずることになりかねません。ストレスもたまるので余計に気持ちが重くなってしまいます。
早く立ち直るためにも、感情を発散させた方が心が軽くなるのです。思いっきり泣いてリフレッシュできれば、考え方も前向きになれます。
辛い気持ちを友達に話す
何でも話せる友達や信頼できる人間がいるなら、今の気持ちを打ち明けて慰めてもらうという方法もあります。
恋愛だけが大切な関係ではないと気づけるかもしれません。喜怒哀楽を思うさま表現すれば、少しは落ち着いて感情の整理ができるようになります。
もし、感情表現が苦手なら、失恋をテーマにした音楽やドラマ、漫画などで共感できるフレーズを探すのも効果があります。
恋愛ジャンルにもさまざまな種類があるので、好みや心情に合うものが見つかるはずです。いつでも見られるように書き留めておくのもよいでしょう。
仕事や趣味などに没頭する
適度に感情を発散したなら、あとは仕事や趣味などに没頭して考える暇をなくす方が、ダメージをやり過ごせます。考える時間があると、どうしようもないと分かっていても、つい失恋のことに意識が向いてしまうものです。
仕事でも趣味でも、何か結果を出せるものがあれば達成感を得ることができます。そうすれば、失恋による喪失感や自己否定感を薄めることにもつながるのです。また、映画やスポーツなど、熱中しやすく時間を忘れやすい趣味も適しています。
今まで彼と過ごしていた時間がぽっかりと空いて、寂しさに打ちのめされてしまう人は、とにかく予定を入れることをおすすめします。
余計辛くなる!失恋したときのNG行動
失恋から早く回復したいのは当然のことですが、焦るあまり逆に自分を傷つけてしまう行為に走らないように気を付けましょう。
無理に新しい恋を探したり元彼のSNSをチェックしたりするなど、つい気になってしまうけれど、やってはいけないNG行動についてお伝えします。
新しい恋を無理に探してしまう
新しい恋で失恋を上書きしようとするのは、あまりよい方法とはいえません。今の気持ちをきちんと消化できていないと、傷口に塩を塗るはめになるからです。
ふとした拍子に前の恋を思い出して辛くなったり、新しい恋人を元彼と比べて、自分も相手も傷つけてしまったりしかねません。
また、急いで痛手を埋めようとして、ふさわしくないパートナーを選んでしまい、再び辛い思いをすることもあります。まずは傷心を癒し、自分自身と向き合って今回の失恋から学ぶことを優先させましょう。
元彼のSNSをチェックする
いくら失恋を乗り越えようと頑張っていても、過去を思い出させるものに毎日触れていては、むなしい努力に終わる可能性が高くなります。
人間の感覚のうち、視覚と嗅覚は過去の記憶と密接に関わっているといわれています。写真や衣服の匂いなど、視覚と嗅覚に結び付く思い出の品は、落ち着くまでシャットアウトするのがおすすめです。
また、元彼のSNSの履歴を見るのも、別れた後の様子を追いかけるのも、自分を苦しめるだけでしょう。どうしても見てしまうなら、思い切って消すのも選択肢の一つです。
無理に忘れようとする
無理に忘れようとすることは、相手を強く意識することにもなるので逆効果です。考えないことと、忘れることは違います。大好きだった、あるいは今でも好きな人のことを思い出してしまうのは当たり前のことです。
無理に忘れようとして新しい恋をしようとしたり、気持ちにふたをしたりすれば、一時的にはうまくいくかもしれません。しかし、自分をだますことになるので、長い目で見れば心や体を傷つけることになってしまいます。
すぐに立ち直れないからといって自分を責めるのはやめて、自然なペースに任せましょう。大事なのは、思い出してもショックを受けなくなることです。
辛い失恋から学べること
失恋も見方を変えれば、悪いことばかりではありません。後になって「あの辛い体験があったから、今の幸せを手に入れられた」と思うときが来るでしょう。一足先に、失恋から学べることを見ていきます。
彼氏に依存しない自立心を持つ
よい恋愛をするには、相手に依存しすぎず主体性をしっかり持つことが大事です。逆の立場で考えてみると、分かりやすいかもしれません。もし、あなたに重い期待を寄せて、なんでも頼ってくる恋人がいたら、しんどくなりませんか?
自分を持つとは、人がどうかに関係なく、自らの人生を大切にするということです。彼氏に合わせて本当にやりたいことを我慢したり、パートナーに理想を求めすぎたりしないように気を付けましょう。
やりたいことがしっかりあれば、1人の時間も楽しめるようになり、恋人と適切な距離が取れるようになります。
新しい恋を大切にできる
失恋のもう一つのメリットは、恋愛経験を積んで人を見る目が磨かれるということです。「この人しかいない」と思っているときは見えなかったものが、手放したことで見えてくることもあります。
失恋によって自分の弱さや欠点を知り、同じように辛い体験をしている人の気持ちが分かれば、より優しくなれるでしょう。あなたが辛いときに支えてくれる人のありがたみを知ることもできます。
人間として一回り成長できた今のあなたなら、前よりよい恋ができるに違いありません。
まとめ
運気が下がった後は、上がっていくものです。今はどん底に突き落とされたと思っている人も、しばらくすれば気持ちが落ち着いてきます。その際、失恋から立ち直るためのプロセスなどを参考にすれば、きっと役に立つはずです。
失恋は辛いものなので、回復に時間がかかるのは当たり前と受け止めましょう。焦らず自分のペースで、過去への執着を手放していくことが大切です。失恋の経験を人生の糧にするためにも、ゆっくり気持ちと向き合いましょう。