大分と東京。父と娘。そこにあったのは心の距離だった
それまでの父への思い。娘・晴美さん(東京都在住)
思い出されるのは、お小遣いをもらってお菓子を買ったことと、髪の毛を切ってくれたことぐらい。手元に残っていた父との写真はピンボケしたものだけで、幼い頃の父との記憶は、写真とともに色褪せてゆくようだった。
時々電話をしてみても、会話はあいさつ程度の形式的なものばかり。振り返れば、好きも嫌いも感じることなく、いつしか他人行儀な感じになってしまっていたのかもしれない。
それまでの娘への思い。父・明充さん(大分県在住)
幼い娘の写真は大切にしまっておいたけれども、辛くてあまり見返すことはできなかった。年に数回顔を合わせても「寂しい思いをさせてしまった」と、どこか後ろめたい気持ちになり会話がはずまない。家でひとり、娘のことを思うと胸につまるものがあり、目頭をおさえることしかできなかった。
そんな父と娘の心をつないだ、Facebookの存在
大分から上京した娘は、愛する夫との間に二人の娘をもうけ、幸せに暮らしていた。
仕事のことやチャーミングな娘たちの日常をFacebookに投稿するのが、ちょっとした日々の楽しみに。そんなある日、Facebookを開くと、今も故郷の大分に住む父から「友達リクエスト」が……。そこから少しずつ父と娘の関係に変化が訪れる。
それぞれの物語。“Your Story Your Facebook”
見ることのできなかった娘の成長を、孫の成長を通してプレイバックする父・明充さん。孫と触れ合う父を見て、失ったはずの温もりを重ね合わせる娘・晴美さん。そこには確かに、Facebookがつないだ新しい “絆” が生まれていました。
インターネットの普及により、コミュニケーションが希薄になったと囁かれることもありますが、私たちは物理的な距離をも越える、新しいコミュニケーションのカタチを手にしました。相手のことを知り、自己表現ができ、そこから会話が生まれ、思い出を積み重ね、その新しいつながりが絆を生む。そんな存在としてFacebookはあり続けます。
あなたのFacebookには、どんな物語が描かれていますか?
Director:Miya Videographer:Ryosuke Kawaguchi Composer:Takuyoshi Fujiyama Writer:Mariko Ankai