誤フレーズ1:「申されました」
例:「Aさんが〜と言いました」
これを敬語に直した時に「Aさんが〜と申されました」としてしまったら、あなたは敬語が苦手なのかもしれません。
「申す」は敬語表現の一つですが、敬語3種類のうち「謙譲語」に当たります。謙譲語は対象者を低めることで敬意を表すものなので、この場合はAさんを低めてしまっていることに。
正しくは尊敬語で「Aさんが〜とおっしゃいました」と表現しましょう。「申す」は「先ほど私が申しました」など、自分が言った時に使います。
【言う】尊敬語=おっしゃる/謙譲語=申す
誤フレーズ2:「拝見してください」
例:「資料を見てください」
「見る」の敬語はビジネスシーンでよく出てくる単語です。例えばメールに資料を添付して相手に見てくださいとお願いしたい場合、「拝見してください」を使っていないでしょうか。「拝見」は「つつしんで見る」の意ですので、対象者を低める謙譲語です。
相手に対して使う場合は、尊敬語を用いて「資料をご覧ください」としましょう。逆に自分が見たことを敬語表現にする時は「資料を拝見しました。」が正解です。
【見る】尊敬語=ご覧になる/謙譲語=拝見する
誤フレーズ3:「〜を伺っていますか?」
例:「前にもご案内を聞いていますか? 」
「聞く」は間違えやすい単語の一つ。「聞く」の敬語の一つは「伺う」ですが、これは謙譲語です。
敬意の対象となるお客様に「聞いていますか?」と表現する場合は、尊敬語の「お聞きになる」を使います。
正しくは「前にもご案内をお聞きになりましたか? 」です。自分が聞いたと言いたい場合は「前にもご説明を伺っています。」としましょう。
【聞く】尊敬語=お聞きになる/謙譲語=伺う
誤フレーズ4:「参られました」
例:「お客様が来ました」
お客様が来社された際に「お客様が参られました」と上司に報告していませんか? 「参る」は謙譲語なので、お客様が動作の対象になる時に使うのは間違いです。
「お客様がいらっしゃいました」や「お客様がお見えになりました」と伝えましょう。
また、「いらっしゃる」「お見えになる」は少し口語的な表現ですので、メールで相手に「会社へ来てください。」と記載する際は「弊社へお越しください」と表現するのがベターです。
逆に自分が行く場合は「御社へ参ります」や「御社へ伺います」など「参る」「伺う」を使います。「来る」や「行く」には様々な表現方法があるので、使い方が難しい敬語の一つです。
【来る】尊敬語=いらっしゃる、お見えになる/謙譲語=参る、伺う
誤フレーズ5:「どちらにいたしますか?」
例「どれにしますか? 」
お客様に何かを選んでいただく際に、「どちらにいたしますか? 」と言っている人を多く見かけます。
「どれ」を「どちら」と丁寧語で表現しているので正解のような気がしますが、実はこれも間違った言い回しです。「する」の尊敬語は「なさる」、謙譲語は「いたす」になります。「どちらにいたしますか? 」は相手を低める謙譲語です。
正しくは尊敬語で「どちらになさいますか?」となります。気をつけましょう。
【する】尊敬語=なさる、される/謙譲語=いたす
敬語が苦手という方の多くは、尊敬語と謙譲語の使い分けができていません。動作の対象が誰なのかを考えれば難しくはありませんので、敬語を使いこなしてビジネスマナー美人を目指しましょう。
Editor:Megumi Fukuchi
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