「自分に厳しく」という言葉の意味は
周囲に、自分に厳しい人はいますか? あるいは、自分自身がもっと自分に厳しくなりたいと思っているかもしれませんね。
そもそも、『自分に厳しく』という言葉の意味は、どのようなものでしょうか?
ストイックとも表現される
まず、『厳しい』という言葉を辞書で調べてみると以下のように出てきます。
・厳格で少しのゆるみもないさま
・いいかげんな対処が許されないさま
自分に厳しいとは、自分を追い込み、怠惰や誘惑から自分を律することを言います。自分を厳しくコントロールすることで、決めた目標を達成します。
周りから見ると、ストイックと評されることも多いはずです。自分に厳しくできる人は、非常に高いレベルで成果を出し続ける人とも言えるでしょう。
四字熟語なども紹介
自分に厳しくと同じ意味を持つ四字熟語を、3つ紹介します。
・『隠忍自重』(いんにんじちょう)
怒りや苦しみをこらえて、軽率な行いをしないこと。「隠忍」は内側の苦しみを表に出さないことを言い、「自重」は自分の行動を慎むことを言います。
・『精励恪勤』(せいれいかっきん)
力の限りを尽くして学業や仕事に励むこと。「精励」は力を尽くして努めること、「恪勤」はまじめに一生懸命勤めることを言います。
・『不惜身命』(ふしゃくしんみょう)
仏道のために身も命もささげて惜しまないこと。身を顧みないことなどを言います。
どれも、自分を厳しく律し、持てる力をすべて使って努力をすることを表しています。ビジネスの場面などでも使うことができそうです。
自分に厳しい人の性格の傾向
それでは、自分に厳しい人にはどのような性格の傾向があるか、見ていきましょう。
ハードルを高く設定する
自分に厳しい人は、理想を高く持っているため、自分の目標を達成するためのハードルを高く設定することが多いです。
高すぎるハードルだったとしても、そこに到達するための努力を惜しみません。
ただ、その過程での小さなミスや、完璧ではなかった事柄に対して、それを許せずに精神的に追い込まれてしまうこともあります。
プライドが高く完璧主義者
自分に厳しい人は、完璧主義者です。「〜でなければならない」と自分を追い込む思考の癖があるとも言えます。
自分に厳しく、高い理想に向けて自分を追い込むことができ、そしてそれを完璧にこなすための努力を惜しみません。目標に対する行動のレベルが、人と比べて非常に高いのです。
そのため、自分は他人より秀でているというように思っていることがあります。子供のころから周囲に期待されるのが当たり前の環境で育った場合、自分が人より上であるという意識が強く、プライドが高い人が多いことも特徴です。
他人にも厳しくなりがち
自分に厳しい人は、自分を厳しく律することで目標に到達する、という行動に慣れています。そのため、自分に甘い怠惰な人たちのことを見ていると、イライラしてしまいます。
他人のミスを許せず、パワハラのような態度を取ってしまう人もいるかもしれません。自分に厳しく、他人にも厳しいタイプの典型と言えるでしょう。
自分に厳しい人は、今までにたくさんの実績を残してきているため、自分の意見に絶対の自信がある場合が多いです。そのため、他人の意見には耳を貸さず、自分の意見を押し通そうとする傾向があるでしょう。
自分に厳しく、他人にも厳しい人は、融通の利かない頑固者のように見られることもあるかもしれません。
自分に厳しくなるには
人は放っておくと怠けてしまう生き物です。
自分にどうしても甘くなってしまって、目標が達成できないことが続くと、自分に厳しくなりたいと思うかもしれません。
自分に厳しくなるには、どうしたらいいのでしょうか?
期限や目標を明確に
自分に厳しくなるには、まずは目標を決めるといいでしょう。自分はどうなりたいのか、最終的にはどのようなことを達成したいのかを明確にします。そして、それに向けてまずできることを当面の目標にしましょう。
もし目標が定まらない場合は、身近な人や芸能人などで、憧れている人を思い描いてみるのもいいでしょう。「あの人みたいになりたい」という憧れの気持ちは、誰でも持っているものです。その人が努力していることをチェックし、自分も同じ努力をしてみましょう。
自分に厳しくするには、目標を決めたら、期限を切ることです。ダラダラしていては、また自分に甘くなってしまいます。「いつまでに、こうなる」という目標を、カレンダーに書き込むのも有効です。
コツコツと努力を積み重ねる
大きな目標は、すぐに達成できるものではありません。例えば、「英語がペラペラになりたい」という目標があったとして、今まったく英語が話せない状態なのに、1日でぺらぺらになることはありません。
毎日少しずつ単語を覚え、英会話を練習し、コツコツと努力を積み重ねることで、いつか英語が話せるようになるのです。
自分に厳しくできるということは、短期間だけ集中して自分を律するということではないのです。日々、目標達成に向けて、淡々と努力ができるということなのです。
そのためには、意思の強さも必要になってくるでしょう。
大きな目標のために、まずは今できるスモールステップから始めていきましょう。
自分に厳しく他人には優しくしよう
自分に厳しくて、他人にも厳しい人は、周囲の人間にうっとうしく思われてしまうかもしれません。
目指すべきは、「自分には厳しく、他人には優しく」です。自分には厳しいのに周囲には優しい人になれたら、人格者として多くの人から尊敬を集め、支持される存在になれるでしょう。
そのためには、どのようなことを心がければよいでしょうか?
自分の考えを押しつけない
自分に厳しい人は、ルールや約束を守ることが当然と思っているため、それを守れない人に厳しく当たってしまうことがあります。
自分が当たり前と思っていることを、他人も当たり前と思っているわけではないことを理解しましょう。
自分に厳しい人が持つ、高い理想と忍耐力を、持続できない人もたくさんいるのです。
自分の考えを押しつけるのではなく、人には人のペースがあるのだということを受け入れましょう。
いつまでも謙虚な姿勢で
自分に厳しくしたことで高い成果を手に入れたとしても、それを他人に自慢するような態度は止めましょう。
コツコツ努力をして、自分を律して、がんばって目標を達成したことは自分が一番良く知っています。人にひけらかすことなく、謙虚な姿勢でいましょう。
ずっと努力していたことを周囲で見ていた人たちは、その姿勢を高く評価するでしょう。
困っている人には手助けを
自分に厳しく、目標を達成できるということは、すごいことなのです。そのため、困っている人が、助けを求めてくることがあるかもしれません。人に頼られたときは、心よく助けてあげましょう。
そのとき、自分と同等の厳しさを課すのではなく、その人に合わせた解決法を見つけてあげられるといいでしょう。
まとめ
自分に厳しい人の性格の傾向や、自分に厳しくなるにはどうしたらいいかを解説しました。いかがでしたか?
自分に厳しく、他人にも厳しいようでは、人が遠ざかっていってしまいます。謙虚な姿勢で、自分には厳しく、他人には優しい人を目指しましょう。